citrus_bobbi humphrey
九州は熊本地方の大地震で被災された方、まずはお見舞い申し上げます。九州でそんな災害が起きているとは露知らず、カナザワはこんなライヴを堪能していました m(_ _)m ブルーイ presents シトラス・サン feat. イマーニ with Special Guest:Bobbi Humphrey。

このシトラス・サンは、ブルーイが英国の職人ギタリスト:ジム・マレンを担ぎ出すために立ち上げたグループ。00年に出た1st アルバムは、いわゆるスムーズ・ジャズの強い仕上がりだったが、そのままバンドが消滅してしまったと思っていたところ、14年に突如復活。そしてリリースした2nd『PEOPLE OF TOMORROW』はファンク色が濃くなり、如何にもインコグニートの別動ユニットらしい佇まいになった。来日は昨年の公演に続き2度目だが、今回の目玉はやはり、フルートの女王ボビー・ハンフリーの帯同だろう。

まずはシトラス・サンだけでファンキー・ボッサ<Mas Uma Vez>をカマし、彼らのアルバム・タイトル曲である2曲目<People Of Tommorow>で “超カワイイ”(by Bluey)イマーニが登場。キュートな歌声で華を添える。4曲目で 待望の“ザ・レジェンド” ことボビー・ハンフリーがステージに。が、アー写やアルバム・ジャケから割とスレンダーな女性を想像していたところ、見てくれは意外にも小型チャカ(カーン)でビックリ。フルートの長さがやたら目立ったほどだ。しかも最初に吹いたのが、ライオネル・リッチーの<Hello>というのが、また意外で。優しい音のフルートはライヴでは不利なイメージがあるが、彼女は艶やかな音色と豊富なフレージングでそれを克服していた。続いて同じジャズ・フルートの先輩格ハービー・マンの大ヒット<Comin' Home Baby>をピックアップ。ノリノリでヴォーカルまで披露し、これまた予想外の展開となる。そういえばBlue Noteを離れた後に米Epicから出した作品群は、かなりヴォーカルをフィーチャーしていたな どうやらボビー嬢、存外に歌いたがりみたいだ

彼女が一旦ステージを降りると、スポットはマレンと若手ギタリスト:フランシスコ・サラスへ。とりわけギター・ソロの掛け合いではマレンの熱演ぶりが凄まじく、何か鬼気迫るモノがあった。彼のライヴは前回のシトラス・サンだけでなく、テリー・キャリアで2〜3回、それにヘイミッシュ・スチュアートのバンドでも観ているけれど、普段のオトナなプレイは何処へやら、今回はかなり激しく攻めている。もっとも親指のフィンガー・ストロークで弾く人なので、それほどエッヂィな音が出るワケじゃない。でも何だか、とても気合いが入っているのが伝わるのだ。ボビー・ハンフリーとのジョイント公演なので、どうしてもジムが前に立つ機会は減ってしまうから、ここぞ!という場面で弾きまくったのだろうか。イヤイヤ、ブライアン・オーガーやココモ、そして故ディック・モリッシーとのコンビで60~80年を生き抜いた英国きっての職人セッション・ギタリストに、そんな邪心はないだろう。それよりも、ブルーイお気に入りのサラスの存在が、大ベテランの闘争心に火をつけたのかもしれない。“まだまだ若いヤツにゃ負けんぞ” と。

ボビーが再びステージに上がると、彼女の代表曲<Harlem River Drive>をハウス風にアレンジしてプレイし、ヴェニュー内熱狂。シメにはスティーヴィー、そしてアンコールは前回同様トム・ブラウンの<Funkin' For Jamaica>で盛り上がって幕。

ゲストのボビー・ハンフリーはもちろん良かったけど、それよりマレンの意外な面を観られたのが、今回一番の収穫だったかも。

 《set List》
1. MAIS UMA VEZ (ONE MORE TIME)
2. PEOPLE OF TOMORROW
3. UNO ESTA
4. HELLO
5. COMIN' HOME BABY
6. SOUL EYES
7. COOKING WITH WALTER
8. WHAT COLOR IS LOVE
9. RIDE LIKE THE WIND
10. ROCK STEADY
11. HOME MADE JAM
12. HARLEM RIVER DRIVE
13. ANOTHER STAR
14. FUNKIN' FOR JAMAICA