paul young
今日は最初はプログレ・フェス(キャメル、スティーヴ・ハケット出演)に行く予定が、横浜のGreen Room フェス(チャカ・カーン、ハイエイタス・カイヨーテら出演)にすり変わり、更に、先週末の家のドタバタで仕事がバリバリに押してしまったため、結局すべてのスケジュールを棚上げして仕事に専念。憂さ晴らしにこんなのを聴いている。ホール&オーツの名カヴァー<Everytime You Go Away>でお馴染み、UKのブルー・アイド・ソウル・シンガー:ポール・ヤング 10年ぶりの新録アルバム『GOOD THING』。

…とはいえカナザワ、06年のカヴァー・アルバムは聞いてないので、この人の新作に触れるのはおよそ20年ぶり。つまりポールはこのところ、10年おきにしかアルバムを出してないのだ。

でもそうした寡作ぶりを惜しがる気持ちは、正直なかった。デヴィッド・フォスター&フレンズ 2012のメンバーとして来日した時、久びさにポールの歌を聴いたが、もう声が潰れかけていて声が全然出ていない。「もう完全に過去の人だな…」 そういうレヴェルのパフォーマンスだったのだ。

ところがこのアルバムのジャケを見て、何かピ〜ンと来るものがあった。シックなスーツに白髪交じりの髪と髭で、やたらとカッコ良いではないの。賭けに近い感覚でゲットしてみると、やっぱり勘は当たっていて、なかなかどーしてシッカリ聴かせてくれる

内容は60年代後半から70年代半ばまでのソウル/R&Bカヴァー集。しかも、ほとんどがサザン・ソウル系のナンバーだ。収録曲は、アル・グリーン<L-O-V-E>、ステイプル・シンガーズ<Touch a Hand, Make a Friend>、エディ・フロイド<Big Bird>、クラレンス・カーター<Slipped, Tripped and Fell in Love>、ジョニー・テイラー<I Believe in You>に、シル・ジョンソン、ホーマー・バンクス…と、かなり濃ゆい。もしてして、ボズ・スキャッグスがメンフィスへ赴いてレコーディングしているのを見て、感化されたりしたのだろうか? でもラスト2曲は、ビー・ジーズ<Words>、そしてアルバム表題曲でもあるルー・ロウルズ<Your Good Thing (Is About to End)>へとなだれ込む。昔のようには歌えないし、もう派手さはないけど、このジワジワくる感じがイイ。

メンバーにもあなり馴染みの名はないが、よく見るとベースはグレン・マトロック(セックス・ピストルズ〜リッチ・キッズ)。エグゼクティヴ・プロデューサーは、こちらのお久しぶりのアーサー・ベイカー。思わずニンマリの一枚でした。