peter wolf
CWF来日公演の熱気冷めやらぬ中、既に仕事全開モードでPCを打ち続けるストレスフルな日々。書いてるのが、ひたすらAORとシティポップス系なので、息抜きはタイプの違う音が聴きたくなる。で、手に取ったのが、元J.ガイルズ・バンドの看板シンガー:ピーター・ウルフ、6年ぶりのニュー・アルバム。気づけば コンコードへ移籍しての第2弾だそうで、しばらく彼のソロ作を手にしてなかったため、少々ビックリ。スタッフはここ2〜3作と同じような布陣だそうだ。

実はこのジャケに彼の気迫みたいなモノを感じてゲットする気になったのだけれど、内容は少々違っていて、極めてリラックスしたR&B集。ブルージー、フォーキー&ジャジーな雰囲気で、円熟したロックン・ソウルをゆったり聴かせる。ただしビート自体は遅くても、そこに潜むテンションは高め。擬似ライヴのトラックを絡めて、J.ガイルズ時代から続く場末のナイト・クラブ感を醸し出しつつ、緩さの中にも覇気のある歌を聴かせてくれる。アコースティック・スウィングもあれば、J.ガイルズ時代の<Love Stinks>をカントリー/ブルー・グラス風に仕上げるなど、アメリカーナな印象が随所に。

ドン・コヴェイと共作したバラード<It's Raining>は、元々、亡くなったボビー・ウーマックとデュエットする予定だったとか。

雰囲気的には最近のボブ・ディランにも通じるけれど、基本的にピーターとウィル・ジェニングスが共作したオリジナル新曲が柱になっている。かつてのJ.ガイルズ唯一の日本公演も観たけれど、ホント、このピーターは男惚れするカッコ良さだった。歳を喰って多少枯れてしまっても、あの頃の気骨は今も失っていない。『A CURE FOR LONELINESS』とは、よくぞ言ったな。