mudcrutch 2
トム・ペティがハートブレイカーズを率いてデビューする前に組んでいたのが、このマッドクラッチ。メンバーは、ハートブレイカーズの盟友マイク・キャンベルとベンモント・テンチ、イーグルスのバニー・リードンの弟:トム・リードン、そしてドラムのランデル・マーシュ。デビューに向けて活動中、誰が主導権を握るかでバンドに内紛が勃発し、敢えなく解散。ペティ派3人がハートブレイカーズを結成し、リードンは<恋のバンシャラガン(Whan Bam)>でお馴染みのシルヴァー結成に向かった。

それが30余年を経て再結成。07年にアルバムを出し、ツアーを敢行。当然ハートブレイカーズの合間のちょっとした同窓会作だと思っていたら、なんとビックリ2枚目が出た。米国でのハートブレイカーズは、日本では想像もつかないぐらい大物だから、その看板を使うとどうしても話の規模がデカくなる。なのでもっと気楽に、自由気ままに好きな音楽を満喫できる場として、ペティがマットクラッチを必要としているのだろう。

音楽的には、ややカントリー寄りのアメリカン・ロック。楽曲によっては、完全にカントリー・ロックしている。ハートブレイカーズよりもずっとラフな作りで、ある意味、今の時流には合っている。ほとんどお遊びっぽいものあるけど…。ギタリストのマイク・キャンベルが歌っていたり、ハーブ・ペンダーセンがゲスト参加してバンジョー弾いたりデュエットしているのも、ご本家ではできないコト。

カナザワ的には、哀愁漂う<Beautiful Blue>や<Hungry No More>(ペンダーソン入り)がグッと来ました。クマが喧嘩しているジャケも、愛らしいやね。