aor city 1000
大好評を呼んでいるソニー・ミュージック・ジャパンの廉価再発シリーズ【AOR CITY 1000】。7月27日発売分に続き、後半の50タイトルが今日発売された。何せ枚数が多いので、監修者であるカナザワから、後半リリース分の狙い目などを。

まず待望の世界初CD化は、<Lady Marmalade>で有名なラベル出身のサラ・ダッシュ、81年発表の『CLOSE ENOUGH』。看板は黒人シンガーでも、中身はポップなコンテンポラリー作で、スティーヴ.ルカサーやカルロス・リオス、ネイザン・イースト、HEATのトム・サヴィアーノ、レニー・カストロ、シーウインド・ホーンズらが参加。プロデュースがメリサ・マンチェスターでおなじみのデヴィッド・ウルファートで、後ろにエンターテイメント・カンパニーが付いているといえば、当ブログの常連さんなら音が想像できるだろう。

世界初はそれ1枚だが、日本初CD化は盛り沢山。一部で“東海岸のTOTO”と呼ばれたバランスの1st『BREAKING AWAY』、ボズ・スキャッグスの後ろ楯でソロ・デビューしたレス・デューデックの2nd『SAY NO MORE』(ジェフ・ポーカロ・ファン必聴!)、意外にも出ていなかったポインター・シスターズの80年作『SPECIAL THINGS』と81年作『BLACK & WHITE』(トム・スノウ作のヒット曲が美味)、そしてケニー・ノーランやビル・ラバウンティが絡んでいるタヴァレス 82年作『NEW DIRECTIONS』と『WORDS & MUSIC』、“オランダ版ホール&オーツ”と異名をとったオーテス・ファン・シェイク『LOVE ATTAXX』(=THE LIMIT/バーナード・オーツ在籍)、そしてケニー・ランキンが高貴なヴォーカルを聴かせてくれるダン・シーゲル(kyd)の91年作『GOING HOME』などがラインアップされている。いわゆるAORのメインストリーム物はないが、AOR感覚で充分楽しめる作品群だ。

そして実は裏ダマも。中田利樹さんが『AOR AGE』最新号で指摘されていた通り、日本のジャズ・シンガー:笠井紀美子がL.A.で制作した2枚『KIMIKO』(82年)と『LOVE TALK』(84年)が面白い。2枚とも故ミニー・リパートンの公私に渡るパートナー:リチャード・ルドルフがプロデュースしており、前者にはジェイ・グレイドン/リチャード・ペイジ/マーク・ジョーダンの共作曲も入っていて、これまでどちらのCDも超プレミア価格がついていた。またMr.ミスターの1st『I WEAR THE FACE』は、初めてアナログ時代のオリジナル・ジャケットを採用。やっぱ1stはコレでなくちゃ!というコトで、早速ヨーロッパのAORマニアから絶賛の声が届けられた。また解散騒動で何か話題のSMAP!<がんばりましょう>の元ネタ:ナイトフライト超名盤も、1000円ポッキリで入手できる。

どれも期間限定発売なので、7月発売分と合わせ、お買い逃しのなきよう。9〜10月はワーナーも25タイトルづつを廉価で出すでよう。