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世界中の音楽ファンに愛されたハーモニカおじさん、トゥーツ・シールマンスが22日、母国ベルギーはブリュッセルの病院で亡くなった。転倒して怪我を負い入院していたが、死因は老衰とされている。享年94歳。本名はジャンバティスト・シールマンス。当初はジャズ・ギタリストとして活動していたが、余技で始めたハーモニカが人気となり、いつしかそちらがメイン楽器となった。



カナザワがトゥーツを意識するようになったのは、やはりクインシー・ジョーンズの<Velas>。淡いトーンで独特の哀愁感を漂わせるそのハーモニカは、まさに唯一無二の存在で、ビリー・ジョエルやポール・サイモンなど、彼のプレイを必要としたアーティストは数知れない。そしてその優しい音色が、周りの緊張感をゆるりと解いてくれる。半ば狂気に走っていた晩年のジャコ・パストリアスを、まるで子供のように諭してしまう魔力。トゥーツのハーモニカにはそれがあった。そしてその柔和な笑顔も、また然り。

その逝去の報を聞き、廉価再発されたばかりの『THE BRASIL PROJECT』(92/93年)に手を伸ばす。共演者は、イヴァン・リンス、ジャヴァン、ドリ・カイミ、シコ・ブルアキ、ジョアン・ボスコ、ジルベルト・ジル、ミルトン・ナシメント、カエターノ・ヴェローゾ、ルイス・ボンファ、エドゥー・ロボ、イリアーヌなど。最初から2枚連続のプロジェクトで、92年作には “to be continued...”と記されていた。

既に引退状態だったとはいえ、トゥーツの死はやはり寂しい。Rest in Peace...