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またまた訃報が続きます。今度は、マイケル・ジャクソンやクインシー・ジョーンズに多くのヒット曲をもたらした名ソングライター、ロッド・テンパートンが、10月5日に癌で死去。享年68歳。誕生日を目前に控えての逝去だが、家族の意向で詳細は明らかにされていない。

マイケル・ジャクソンには<Rock With You>や<Off The Wall>、<Thriller>など。クインシー・ジョーンズには<Razzmattazz>や<The Dude>。 ジョージ・ベンソンには<Give Me The Night>や<Love X Love>。ブラザーズ・ジョンソンの<Stomp!>に<Light Up The Night>。パティ・オースティン<Do You Love Me>。そのパティとジェイムス・イングラムとのデュエット<Baby, Come To Me>。ジェームス・イングラムがマイケル・マクドナルドとデュエットした<Yah Mo B There>。同じくマイケル・マクドナルドの<Sweet Freedom>。更にルーファス&チャカ・カーン<Masterjam>に、アニタ・ベイカーやマンハッタン・トランスファーが取り上げた<Mystery>。はたまたボブ・ジェームスやハービー・ハンコックのようなジャズ・フュージョン系のミュージシャンからも、直々に要請を受けて楽曲を書き下ろしたテンパートン。当然黒人のソングライターと思いきや、実は英国生まれのミュージシャンだと知って驚いた。

籍を置いたヒートウェイヴでは、77年に全米2位を記録したディスコ・チューン<Boogie Nights>とか、同7位<The Groove Line>あたりが有名。もちろんどちらもテンパートン作品だが、彼自身が名を上げたのは、やはりクインシー作品に重用されるようになってからだ。マイケルやジョージ・ベンソン、ルーファスは言うに及ばず、パティ、ジェイムス・イングラムもそう。ヒートウェイヴは一介のポップ・ソウル・グループという風情だったのに、その頃から急に格が上がったような気がしている。同時代的には80年作『CANDLES』がそれに当たるが、グループが本当に風格を身につけたのは、やはり彼がエスタブリッシュされてから。そうなると、上掲の82年作『CURRENT』が該当。かくいうカナザワも、アルバムとしては『CURRENT』を最初に聴いた。当時の日本盤は、上掲右の鈴木英人ジャケットで売り出されていたのよ。

もっとも多忙になったロッド・テンパートンは、79年の3rdアルバム『HOT PROPERTY』で既に正式メンバーから外れていて…。それでもグループとの蜜月は継続し、『CURRENT』でも収録曲8曲中5曲を書き下ろし、アレンジでも貢献している。要はツアーには一緒に行かず、曲作りとスタジオ・ワークに専念、というコトだったのだろう。来日は、クインシー・ジョーンズの81年ツアーに2nd kyd奏者として同行した時に。この時、ライヴ・アルバム『LIVE AT BUDOKAN』が録られている。

おおよそ表舞台には出てこない人だったが、90年頃から新しい作品は途絶えていた。だからシーンが何かを失う、というコトはないけれど、80 's の音楽シーンを華やかに彩ったソングライターだけに、やっぱり寂しさが募る。10年のヒートウェイヴ紙ジャケ再発に関われたのは光栄だったな。

Rest in Peace...