jaeff beck_wired
10日間のご無沙汰でした。書きモノもチョコチョコありましたが、何だか雑事に引っ張られてました。facebookには上げましたが、初めてDJ OSSHYさんに呼ばれて Inter FMデビューしたとか、来年のAOR企画の打ち合わせとか、プライヴェートでも諸々。でもってこの2〜3日は、かなりコレに引っ張られ…。もう間もなく発売されるジェフ・ベックの76年名作『WIRED』:SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション。その再発にちなんでのレコードコレクターズ誌特集記事に寄稿しています。

ってなワケで、ジェフ・ベックのみならず、ヤン・ハマー、ナラダ・マイケル・ウォルデンらのワークスをチマチマ追っかけているココ数日。再発盤そのものは、まだ聴いてません。その代わりマハヴィシュヌ・オーケストラだと、第1期にヤン・ハマーがいて、入れ替わりの第2期にナラダが入ってくるので、ほとんど全作聴いたり…。

『BLOW BY BLOW』と『WIRED』の違いは、メロウなジャズ・ファンク vs ガチなハード・フュージョンで、それはすなわちマックス・ミドルトンとヤン・ハマーの資質の差でもあるけれど、要はジェフ自身がビリー・コブハム『SPECTRUM』に感化され、ヘヴィなグルーヴに乗ってアグレッシヴなジャズ・ロックを演りたい、と思っていたことが大きい。『BLOW BY BLOW』発表後のワールド・ツアーでバーナード・パーディをバンドに招いたのも、コブハムのような重戦車が欲しかったからだった。

ジェフがジャズ・ロック的なギター・インストに向かった最初のキッカケは、おそらくジョン・マクラフリンだったと思う。でも『WIRED』のエッジィなロック・ギターは、『SPECTRUM』でギターを弾いたトミー・ボーリンの影響だろう。『BLOW BY BLOW』には少し違和感を持っていたジェフが、トミーのプレイを聴いて「これだ!」と思ったのは、想像に難くない。

久々にトミーの『TEASER』も聴いたが、そこにはヤン・ハマーもいればナラダもいる。それにデヴィッド・フォスターやジェフ・ポーカロも。しかもナラダはトミーのソロ・ツアーにも付き合った。

ちなみにナラダはディスコ路線に走る前、ポスト・ジェフ・ベックとして注目されていたレイ・ゴメス、そして元ディープ・パープルの歌えるベース奏者グレン・ヒューズと新バンド構想を持っていたらしい。ゴメスはスタンリー・クラークのアルバムで活躍し、かの<Rock'n Roll Jelly>のギターを弾いていた人。グレンはパープルで仲の良かったトミーとバンドを組む計画だったが、トミーの急死でそれが宙に浮いてしまった。実際この3人はリハーサルも進めたらしいが、レコード会社が見つからず、プランは頓挫。その後ゴメスが出したソロ作『VOLUME』にはナラダが参加。グレンは、マイケル・シュリーヴ(元サンタナ)のグループ:オートマティック・マンにいたギタリスト:パット・スロールと、ヒューズ=スロールを組んでいる。パットは後にエイジアにも関わった。

ヤンは、『WIRED』以降、ギタリストを可能性を引き出すインプロヴァイザーとして名を上げ、ニール・ショーン、スティクスのジェイムス・ヤング、増尾好秋らと共演盤を出している。スティーヴ・ルカサーの1stでも呼ばれ、1曲ソロ・バトルを展開した。『MIAMI VICE』の人でもあるけれど、やっぱ『WIRED』の彼が良かったな。『ライヴ・ワイアー(JEFF BECK with THE JAN HAMMER GROUP)』での評判は良くないけど、ヤン・ハマー・グループ単体作を聴くと、ちょっとイメージが変わる。もっともその後組んだハマーの2枚は腐り気味だが…