kadomatsu_osshy
今日は旧知の角松敏生、最近一緒にトーク・ショーをしたり番組にお呼ばれするなど交流が多いDJ OSSHYがコラボレイトするライヴ・イヴェント:Dance Party 2016 @恵比寿 act square に参戦。仕込みの大変さは漏れ聞こえていたけれど、Lady-K がオープニングDJをしている間に楽屋を訪ねてみたところ、角松もOSSHYも意外にニコヤカ。もっともOSSHYさんは落ち着きなく動き回っていたので、緊張する間もなかったのかな?


オープンから2時間、Lady-Kが角松曲中心に場をあたため、フロアーはなかなかの盛り上がり。続いて角松が登場して短く口上を述べ、DJ OSSHYを呼び込んで、しばしDJタイム。バリー・マニロウが掛かったの合図にバンドが準備を始め、Back To Back形式での 生バンドV.S. DJ対決3時間勝負(intermission含む)の幕が切って落とされた。

バンドのメンバーは、森俊之(kyd)、鈴木英俊(g)、山内薫(b)、マイコ/為岡そのみ(cho)という、ほぼいつも布陣(ドラムはナシ)。でもアーバン・ファンク期の角松に関わったメンバーは誰もいないので、ライヴ定番曲以外はほとんど新曲みたいなモノだろう。またDJプレイとノンストップで繋いでいく back to back ゆえ、切り替えの問題、音質・音圧の差など、かなりの難題が降りかかる。能天気に踊ればいいオーディエンスとは違って、ステージ上は常にトラブルと背中合わせという、かなりスリリングな展開なのだ。

バンドのサウンドが、普段よりモコッとしたダンゴ状態の音だったのは、ターンテーブルからの出音とバランスを揃えたためだろう。一番のキモである繋ぎの部分は、ブレイクをカマせてDJ曲を生演奏に切り替え、そこからのアレンジで角松曲へ持ってったり、DJ曲のリフにだんだん生楽器が被さってきて、それが出揃ったトコロで角松曲のリフへ移行したりと、工夫のあとがふんだん。

しかも、DJ曲が次の角松曲の元ネタだったりする仕掛けの面白さも。例えば、Earth Wind & Fire<In The Stone>と角松<BEAMS>を絡めたり、チェンジ<Paradise>と角松<Tokyo Tower>を繋げたり。OSSHYのマーク・ロンソン<Up Town Funk>に角松が<Never Touch Again>で返したあたりは、日本のアーバン・ファンク先駆者たる角松らしいアピールかも。

また、ACT2で披露された森俊之フィーチャーの<Night Birds>(シャカタク・カヴァー/Vocalandに収録)、マイケル・フォーチュナティ<Give Me Up>受けの角松<Catch Me>(中山美穂への提供曲)などは、このイベントならではのチョイス。森さんはDJ曲でもピロピロと小さな音でピアノを重ねたりしていて、やたら楽しそう。一方フロアではジュリ扇(ジュリアナで有名になった羽根つき扇子)が多数登場するバブリーな展開で、思わず苦笑。そういやレコード会社の担当女史も、「アタシ、この世代なので」と腰をフリフリしてました

そしてラストはDJをカマせず、<初恋><After 5 Clash><Girl In The Box>の3連発。最後のギター・ソロでは、角松、しっかりハネてました。繋ぎ部分は緊張が走っても、イザ曲が始まってしまえば、あとはノリノリ。角松自身も結構楽しんでいるように見えた。

目についたのは、集まったオーディエンスの笑顔の多さ。ディスコに特化したイベントだけに、最初から理屈っぽいファンは来てないのだろうが、逆に “最近は角松から離れている”、“今はロクに聴いてない”、そんなオールド・ファンも少なくなかったようだし、“やっぱ角松はこうでなくちゃ!”という声も多かった。『SEA BREEZE 2016』リリース後の35周年ライヴ@横浜アリーナがソールド・アウトになったのも、そういう人たちが戻ってきたからだろう。でもそれが分かっていても、そうした流れに与しないのが角松らしさ。とはいえ実際にこうしたイベントを企画したくらいだから、そこは彼も考えている、というコトではないかな。

サンリオ公演、そしてこのディスコ・ライヴが終わり、来月には横アリの映像作品が発売されて、恒例の年末ライヴ。来年はまた別の企画を練っているらしく、次の純オリジナル・アルバムはまだ先になりそうな雲行きらしいが、ファンは何かと忙しそうだ。

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