patti austin_body language
絶賛、音盤整理中(まだやってる…半泣)。その中からまとまって出てきたのが、昨年9月に再発されたキング・レコード発のCTIコレクション。既に持っているアルバムが多かったので、世界初/日本CD化モノを中心に数枚ピックアップしただけだったが、ならばこの機会にブログで紹介しよう、と思いつつスッカリ失念していたのが、このパティ・オースティンの4作目にしてCTI最終作(80年)だ。手元には初CD化時の03年UK盤(英ではSony Musicがディストリビュート)があるので、今回はスルーしたけれど、実は地味ィ〜に内容がイイのヨ。

CTI期のパティといえば、1st『SAY YOU LOVE ME』が有名。対してこのアルバムは、CTIの凋落と海外ディストリビューションの変更時期に当たって、ほとんどノン・プロモーション。当時は日本発売も見送られた。が、パティはそのあとクインシー・ジョーンズのクエストに移籍して大成功。それを追うようにして、国内盤が出た記憶がある。でも実際に聴いてみれば、派手さは控えめながらも実直さが ジンワリ伝わる内容。名盤とは言えないながらも、CTIのクロスオーヴァー・スタイルからクインシー傘下でのコンテンポラリー・サウンドへの橋渡しを担った、キー・ポイントになった作品と言えるのだ。

レコーディングは、CTIモノには珍しいマッスル・ショールズ。とはいえ一部はニューヨークで録られ、ロジャー・ホーキンス(ds)やデヴィッド・フッド(b)、ランディ・マコーミック(kyd)、ダンカン・キャメロン(g)といった現地セッション・メンと、ランディ&マイケル・ブレッカー(horns)、ウィル・リー(b)、ジョン・トロペイ(g)らが混在している。プロデューサーはもちろんCTI総帥:クリード・テイラーだが、現場では若きkyd奏者ジェレミー・ウォールとマッスル・ショールズ・リズム・セクションが仕切り役。収録曲のラインナップを見ると、既出カヴァーとマッスル・ショールズ所縁の提供曲が拮抗しているので、その辺りでイニシアチヴのやりとりがあったのではないか。

タイトル曲<Boduy Language>は、ディオンヌ・ワーウィックも歌っていたアイザック・ヘイズ作品。ボブ・シーガーの<We've Got Tonight>、リタ・クーリッジの<Love Me Again>(デヴィッド・ラズリー作曲)、パブロ・クルーズの<I want You Tonight>といった、ちょっとポップなリメイクも多い。でもその辺りとパティとの相性は、正直微妙。スクイーズの<Another Nail In My Heart>なんて、パティが歌う必要あるのか?と思っちゃう。意欲的なのは分かるが、若干空回り気味というか…。

でも一方で、アリス・クーパーとの仕事で知られるディック・ワグナーが書いている<S.O.S.>は、パティ屈指の名バラード。その他マッスル・ショールズ出自の楽曲は、さすがにジックリ練られていて、パティも気持ち良さそうに歌っている。何でもソツなく歌いこなす彼女ながら、このビミョーなヴォーカルの表情を読み取れるかどうかが、セッション・リーダーに求められる処。その点、マッスル・ショールズの連中は百戦錬磨、というワケだ。

このように若干楽曲を選り抜く必要があるものの、クエストでのパティの前哨戦になったと思しき重要作である。90年代半ばにGRPを離れて以降、良い作品、良きレーベルに出会えていないのが残念だけれど、パティのCTI期では『SAY YOU LOVE ME』と共に忘れて欲しくない一枚。…にしても、ジャケのパティ、ちょっとコワイわぁ