mie_pink lady night
去年は諸事情で参加できなかったが、今年は復活して観てきました『新春 Pink Lady Night 2017 @ Blues Alley Japan』2nd Show。この恒例イベント、最初は2010年に半年に渡って開催された未唯mieさんマンスリー・ライヴの一環として、同年6月に行われた企画。それが、鳴りモノいっぱいで縁起が良い、とのコトから、翌11年の年明けに再演され、そのまま定着。今年で7年連続の新春公演となる(合計8回目)。つまりカナザワは、これを観るのは6回目になるワケだ。



だから出し物の内容は分かっているし、20人越えの演奏陣もほぼ変わらず。セットリストも若干の入れ替えがあるだけである。それなのに、あぁ、それなのに…。毎回、

楽しくって、面白くて、思わずニンマリしちゃうのだ

それに、もう6回目なせいか、アレンジもそこそこ頭に入ってるから、多少なりとも落ち着いて観るコトができる。おおよその感想は、初めて観たときのレポート((2011.1.9.)の時とあまり変わらないのに、奇想天外かつ複雑極まりないアレンジだから、演奏回数を重ねた(今年は先に大阪でも演ってた)ことによる熟れも感じたし、ちょっとした発見もあった。例えば<渚のシンドバット>のビーチ・ボーイズは前からああいう風に入ってたっけ?とか、<ウォンテッド>に使ったクール&ザ・ギャング<Jungle Boogie>のリフとキング・クリムゾン<21世紀のスキッツォイド・マン>のスタッカート・ユニゾンの親和性に感心したり、とか。純邦楽、ラテン、コリアン、インド、などの打楽器類のアンサブルもさることながら、ジプシー・ヴァイオリンの怪しい存在感も再確認。

そうそう、ガムラン系なのかな? <渚のシンドバット>のイントロ部に用いられたインドネシアの竹製打楽器、アンクルンは初めて観たなぁ。雅楽の笙(しょう)とケーナを合わせたようなルックスで、横に揺すって音を出す。単音しか出ないから、8人でアンサンブルを作ってハンドベルのようにチームでメロディを奏でるのだ。コレ、勉強になりました。もちろん、艶やかな未唯mieさんの衣装も、毎回目の補養になっている。

今回はたまたま、顔見知りのベテラン・セッション・シンガー氏と同じテーブルになった。氏はこのライヴ、初めて観るそうで、ライヴ中も吹き出しそうになったり、ニヤニヤしたり、手を叩いたりで、思う存分楽しまれていた様子。「話には聞いてたけど、ホント、すごいネェ〜」と感心しきりだった。往年のピンク・レディ・ファンはもちろん楽しんでたけど、音楽をより深く、より広く知っている人の方が、このPink Lady Night の中身の濃ゆさ、恐るべきアレンジの巧みさを、キッチリと認識できる。ある意味キワモノ的ではあるけれど、毒を喰らわば皿まで、のつもりで聴けば、その愉しみは100倍になって返ってくる。それこそ、BSか何かの音楽番組で是非とも取り上げて欲しいライヴだと思うぞ。

  《Set List》
1. S.O.S.
2. カメレオン・アーミー
3. 透明人間
4. UFO
5. サウスポー
6. 渚のシンドバッド
7. ウォンテッド
8. ペッパー警部
9. オレカマ〜カルメン '77
10. Kiss In The Dark
11. マンデー・モナリザ・クラブ
= Encour =
12. ピンク・タイフーン