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BUGATTI & MUSKER (Demo Record)  MIGUEL BOSE(10 inch record)

Light Mellow音盤&トーク・ライヴ Vol.8@武蔵小山 Cafe Again。ご来場いただきましたお客様、どうもありがとうございました。約5ヶ月ぶりとインターヴァルが長かった割には、ちょっと寂しい状況でしたが、その分イベントの中身はこれまでのどの回よりも濃密だったと自負しています。

基本的なスタイル、このイベントのコンセプトは、従来通り “レーザー・ターンテーブルを使用して爆音でAORを楽しむ” というもの。でも今回ほどレア盤を惜しむことなく投入したのは、初めてだったかもしれません。

まず前半は、CDがデフォルトの作品を、アナログ+レーザーターンテーブルで楽しむ趣向。とりわけ、TOTO〜ドゥービー〜イーグルス〜ネッド・ドヒニー〜ビル・ラバウンティと続く冒頭5曲は、ごくごく普通に聴ける好盤ながら、全部アナログで持ってる、という人は相当に珍しいはず。日本盤LPが出なかった作品がほとんどだし、日本盤しか出てなかったネッドも、近年はアナログ盤に3〜4万円のプレミアが付いています。

TOTO<Love Has The Power>は、ジャン・ミッシェル・バイロンがヴォーカル。このベスト盤収録の新曲4曲とワン・ツアーで馘首されましたが、問題のキャラクターはともかく、シンガーとしての相性は悪くなかったというのがカナザワの意見。ドゥービーは再結成後の『CYCLES』からですが、このパット・シモンズの曲を聴くと、マイケル・マクドナルド台頭の仕掛け人が実はパットだったのが分かります。イーグルスも再結成時のライヴ盤に収録された新曲ですが、この曲は元々、ティモシー・シュミット、ドン・フェルダー、ポール・キャラック、ジム・キャパルディ、マックス・カール(グロネンサル)が組んだ新グループのレパートリー。実はレコーディングも終わってたらしいですが、諸事情で発表できずお蔵入り。そこでティモシー&ドンがココへ持ってきた、らしいです。この流れは意外と知られていないので、そこに想いを馳せながら聴くと、新しい発見があるかも。

この5曲はどれも80年代末〜90年代初頭のリリースなので、この時代らしい硬めの音作りが施されていますが、それをレーザーで聴くとエッジが取れて耳触りが良く、音の隙間、空間が大きくゆったりと広がります。これはCDでは再現できないし、ましてやヘッドフォンでは体験できない特徴です。

6曲目以降は、CDのボーナス・トラックとして収録されたり、最近アナログ復刻されているものが中心。それを貴重なオリジナル盤で堪能して戴こうと。最近の再発LPには良いプロダクションのモノが増えたのですが、やはりオリジナルには勝てないモノが多いそう。特に7インチ盤などは、CDをマスターにしているケースも少なくないらしく、何もためのアナログ再発か?と。もちろんオリジナル・マスターテープが行方不明のモノもあったりするのでしょうけど、そのあたり、作り手のモラルが問われるところでもあります。もっとも7インチはグッズ的需要も多いらしいので、アーティストに拠っては聴き手のニーズが何処にあるのか不明な場合も。

最後のグレッグ・ローリーは、ジャーニー来日にちなんで。スティーヴ・ペリーの1stソロ同様、こちらの方がよっぽどAOR度の高い楽曲が入っているよ、と言いたいワケです。

休憩を挟んでからは、完全にレア盤の応酬。スペインのアイドル・シンガー:ミゲール・ボセ(上掲)の80年作『MIGUEL BOSE(太陽のマタドール)』は、エアプレイ<Cryin' All Night>のオリジナル入り。しかも作者はスティーヴ・キップナーただひとり。バックにはマイク・ポーカロやディーン・パークスといった周辺人脈が参加するも、共作者であるはずのデヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンの名はどこにもありません。う〜ん、音楽業界の魑魅魍魎。

ヘンリー・カポノは、結構珍しい2nd『PIECE A CAKE』(83年)の楽曲。ドラム:ジェフ・ポーカロ、ベース:マイク・ポーカロ、ギター:リッチー・ジトー、鍵盤:ジェイムス・ニュートン・ハワードとううゴッツいメンツ。でも名著『ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事』からは溢れてしまったジェフ・ワークスのひとつ。しかもこのアルバム、TOTO<Waiting For Your Love>をカヴァーしてます。もっともこのリメイクにはTOTO勢不参加ですけど…

そして上掲ブガッティ&マスカー(=デュークス)のデモ・アルバムから2曲。 <Every Home Should Have One>はパティ・オースティンでお馴染み、<Love Dance>はデュークスのワン&オンリー作で完成版が聴けます。去年 “新・名盤探検隊”でリイシューされた『DUKES(ミステリー・ガール)』にボーナス収録された3曲のシングルB面曲のうち、2曲はデモ音源でしたが、そのうち1曲はココにも入っていました。

で、Cafe Oleは、レココレ誌99年の前回AOR特集で紹介された自主盤。ちょいカリビアン・テイストが入ったレア・グルーヴ・チューン。一方のShiversは、同年発行のガイド本、我が『AOR Light Mellow』で紹介した極上メロウ・アイテムで、もっともレアな作品のひとつ。

最後の4曲は、いずれもシングル盤でのご紹介です。Boy Meets Girlは、お蔵入りしたA&Mでの2ndアルバムからの先行シングルだったもの。Cheryl Ladd は76年のシングルで、デヴィッド・フォスターがカントリー・アレンジを施した珍盤。クレジットはないけど、ドラムは多分ジェフ・ポーカロ。他の演奏陣も何やら怪しそうな1枚です。そのフォスターの<Rendez-Vous>は、アトランティックからの1st ソロ収録曲<Flight Of The Snowbird>のヴォーカル・ヴァージョン。ロシア陸軍の合唱団が歌っている、シングルのみの珍盤。サブ・タイトルが<Love Lights The World>というのも笑えます(つまり、後年他の曲のタイトルに流用されたということ)。そして最後は83年に作られたエリック・タッグのシングル。詳細不明ながら、ローカル・レーベルでのビジネス・ライクな作品と思われます。

1. Love Has The Power / TOTO (LP)
2. I Can Read Your Mind / the Doobie Brothers (LP)
3. Love Will Keep Us Alive / Eagles(LP)
4. What’cha Gonna Do For Me / Ned Doheny(LP)
5. Mr.O / Bill LaBounty(LP)
6. Starlight (Disco Version) / Cory Wells(12inch Single)
7. To Know / Full Moon(LP)
8. Take It Easy / Archie James Cavanaugh(LP)
9. Black Shaheen / The Rhead Brothers(Original LP)
10. Let Me Out / Gregg Rolie (LP)
  ー intermission –
11. Cryin’ All Night / Miguel Bose(10inch vinyl)
12. Julie Anne / Henry Kapono(LP)
13. Every Home Should Have One / Bugatti & Musker(Demo LP)
14. Love Dance / Bugatti & Musker(Demo LP)
15. Island Song / Cafe Ole(LP)
16. Steal My Love / The Shivers(LP)
17. Heartbreaker / Boy Meets Girl(7inch)
18. Country Love / Cheryl Ladd (7inch)
19. Rendez-Vous / David Foster(7inch)
20. Woman I Love / Eric Tagg(7inch)

と、いうワケで、次回音盤&トーク・ライヴは、5月14日(日)に決定しました。是非とも奮ってご参加を。お待ちしてます