longbrach pennywhistle
昨年急逝したグレン・フライが、イーグルス結成以前にJ.D.サウザーと組んでいたのが、このロングブランチ・ペニーウィッスル。その唯一のアルバム(70年発表)が、ようやく韓国製紙ジャケット仕様で世界初CD化された。これはその日本国内流通盤(オビ・解説付き)。以前もブートレグで出たことがあったが、今回は Licencse from Amos Records(オリジナル盤のレーベル)というクレジットがある。

内容的には、名盤というよりも、イーグルス結成前のグレンがJ.D.とチームアップして作った、というウエストコースト・ロック史的価値のあるアルバム。収録曲は10曲中6曲がJ.D.作で、2人の共作は2曲だけ。グレン単独作は1曲に過ぎない。もしかしてJ.D.がイニシアチヴを?、と思ってしまう比率だが、リード・ヴォーカルこそ作曲者が取るものの、ほとんどはデュエットやらハーモニーで歌われており、グレンの存在感も全然負けていない。J.D.作<Kite Woman>は、後に新しいアレンジを施され、彼のアサイラム・デビュー盤に収録された。

また1曲、ジェイムス・テイラーのアップル盤から<Don't Talk Now>がカヴァーされているが、ここで活躍するスライドはライ・クーダーのプレイとか。確かにクレジットには Rayland P. Cooder という見慣れぬ本名の記載がある。他のバック・メンバーは、ジェイムス・バートン(g)、ジョー・オズボーン(b)、ジム・ゴードン(ds)、ラリー・ネクテル(kyd)ら。当然ながらイーグルスやJ.D.ソロと比較すればイナタいことこの上なく、カントリー調の楽曲やロックン・ロールもあれば、フォーキーだったりファンキーだったりと、方向性も定まっていない。だからココから後年の姿を想像するのは難しいが、成功後の彼らを知っていれば、ココにそのルーツを見出すことは簡単だったりする。

オリジナル盤をリリースしたエイモス・レコードは、ドン・ヘンリーがいたグループ:シャイローも出していたレーベル。ロングブランチは当時まったく話題にならずに終わるが、彼らが出演していたトゥルバドールで出会ったのが、かのジャクソン・ブラウン。意気投合した彼らが同じアパートで暮らし始め、そこからウエストコーストのロック・シーンが大きく動き始めるのである。