nulbarich
昨日のポストで Suchmos を書いたら、予想外にたくさんのアクセスを頂き、ちょっとビックリ。やっぱり旬なアーティストについて書くと、一見さんが増えるのかしらね? もちろんそれはそれで嬉しく有難いコト。だけど自分の願いとしては、ココの常連さんだけど若いアーティストは聴かずにスルー、という人たちにこそ、ちゃんと耳を傾けてほしいと思っている。

そこで今日は、いま Suchmos と並び称されている この Narubarich を。彼らは昨年初アルバムをリリースしたばかりのニュー・カマー。ソウル、ファンク、アシッド・ジャズなどをベースに極上のグルーヴを送り出すポップ・ソウル・バンド、という触れ込みで登場してきた。基本は5人組グループのようだが、ヴォーカルのJQ以外は名前を公表せず、半ば流動的。ライヴを重ねるうち徐々にメンバーが固定化しつつあるそうだが、この匿名性というか、覆面キャラの存在がチョッピリ面白さを増幅している。バンド名の Narubarich は、nul(無の状態)but rich をワンワードにした造語で、“何も無くても形のないモノ(感情とか思想、行動)で満たされている” という意味とか。

シンガーがJQ と名乗っている時点でお里が知れちゃうが、確かに音の傾向はアシッド・ジャズ、延いては Suchmos に近い。でもコレが1st というコトもあってか、Suchmos『THE KID』ほど音は絞り込まれておらず、全体的にモア・ポップ。そのクセ、ディアンジェロ風のトラックもあれば、ジャック・ジョンソンを髣髴させるアコースティック・チューンもある。ラジオでヘヴィ・ローテーションされているのは、マルーン5風の好曲<New Era>。初めて聴いた時は完全に洋楽と思ったが、よく聴けば英語と日本語のチャンポン(英語Ver.もある)で引っ繰り返った。今の Suchmos よりも間口が広いから、コチラの方が好みという人もいるだろう。

ジャーニーを観に行って感激し、その思いをSNSで共有するのは良いコト。でもその一方で、僕ら世代(今の40代後半〜50代)が若い頃に、それと同じ熱量で音楽の魅力を後継世代に伝えていたら、今のミュージック・シーンはもっと良くなっていたかもしれない、と思う。今の若手で70〜80年代の音楽にルーツがあるようなことをやっている人、あるいはその近くには、必ず僕ら世代の親がいたりするのだ。言い換えれば、これは 日々親の聴いている音楽が、自然に子供たちへと受け継がれていった証し。その中間世代が音楽的センスに乏しく、アイドルやヴィジュアル系、ストリート系にしか敏感に反応できないとしたら、それは僕ら世代が音楽の魅力を享受するだけで、次世代へ伝えることを怠ったからかもしれない。Suchmos、cero、シンリズム、北園みなみ、そしてこの Nulbarich などなど。そういう若手の活躍を心底嬉しく思いながらも、ちょっと心が軋む自分がいるのだ。

そうそう、我が Light Mellow's Choice で紹介した Blue Peppers、レコーディングはシッカリ進んでいるのかな?