coryell mouzon
SNSで盛んに枕に使われている “フュージョンのゴッドファーザー” というセリフにあまり覚えはないのだが、確実にフュージョン〜ジャズ・ロック系ギタリストの始祖の一人であるラリー・コリエルが、2月19日、ニューヨーク市のホテルの一室で亡くなった。週末にニューヨーク市にあるイリジウム・ジャズ・クラブで2公演を終えたばかりで、パブリシストの声明によると、睡眠中に老衰で亡くなったという。享年73歳。

60年代のコリエルは、フリー・スピリッツなるグループでサイケなジャズ・ロックをプレイし、その人脈はスティーヴ・マーカス(sax)やホワイト・エレファントあたりに繋がっていた。が、クラシックにも造詣が深かったコリエルは、70年、ジョン・マクラフリン(g)、ミロスラフ・ヴィトウス(b,cello)、ビリー・コブハム(ds)、チック・コリア(pf)という面々で、リアル・クロスオーヴァー的なジャズ・ロック名盤『 SPACES』を完成させ、一躍脚光を浴びる。かなり緊張感のある演奏で、ハッキリ言って小難しい。

むしろフュージョン・ファンが馴染みやすいのは、74年に結成したエレヴンス・ハウスだろう。コリエルが盟友ジョン・マクラフリン率いるマハヴィシュヌ・オーケストラを意識して作った、というのが大方の見方。その創設メンバーは、コリエル、ウェザー・リポート出身のアルフォンス・ムーゾン(ds)、後にブラッド・スウェット&ティアーズに加入するデヴィッド・トリファン(b)、コリエルの旧友で盲目の鍵盤奏者マイク・マンデル、そしてご存知ランディ・ブレッカーという布陣。その後メンバーは流動的になり、日野皓正がメンバーだった時期もある。

77年に発表された本作は、そのイレヴンス・ハウスの再会セッション。スタジオ作品としては4作目となる。曲によってハードだったりファンキーだったりするが、一番分かりやすいのは、『BLOW BY BLOW』や『 WIRE後』の頃のジェフ・ベックを髣髴させること。記憶の方も多いと思うが、ムザーンは昨年12月に亡くなったばかりから、まさにコリエルが彼から誘われちゃった感じ。きっと今頃、空の上で3度目の再会セッションを繰り広げているに違いない。彼はこの夏、再結成イレヴンス・ハウスでツアーを行なう計画もあったそうだ。

Rest in Peace...