nathan east 2
ネイザン・イーストの Billboard Live Tokyo 2daysを明日・明後日に控え、銀座ヤマハで開催された『VIP ファンミーティング Vol.2』に潜入してきた。カナザワはBillboard 公演に行くつもりでスケジュールを調整していたが、ある筋からこのイベントへのお誘いアリで。実は前回公演も、その前のサマーソニック出演も見ているので、この貴重なイベントを見られるなら今回はそれでイイかと。結局、佐藤竹善がゲスト出演する日は、都合がつかなかったのよ。

さて、イベントの内容は、1部が普段は関係者以外は見ることのできないリハーサルを公開。2部はネイザン本人とのトーク・セッション。合間にバンド・メンバーとの交流もあり、応募してチャンスをゲットした熱心なファンが100名ほど集まった。

やっぱりファンのお目当は、1部の公開リハーサルだろう。もちろん本番前日であるから、アンサンブルはおおよそ組み上がっていて、ほぼ最終チェックの段階。途中、演奏を止めて進行を確認したり、細かいユニゾンをやり直したり、という場面は、プロのスタジオ現場を見たことのない一般ファンには、実に興味深いモノだったと思う。メンバーはもちろんフル・バンドで、ベースとヴォーカルのネイザン以下、ケイレブ・ジェイムス(kyd)、マイケル・トンプソン(g)、 ジェームズ・イースト(b)、ジャック・リー(g)、スティーヴ・フェローニ(ds)、 住友紀人(EWI,sax,kyd)という陣容。

ベース・プレイヤーとして凄腕でありながら、決してそれを売りにはせず、あくまでトータル・サウンドで勝負するのがネイザン流。それは彼のベース・プレイも同じで、個性よりも順応性の高さ、バランス感の良さで貢献する。ソロ・アクトの時はリード・ベース的な演奏をしているが、ジャコ・パストリアスやスタンリー・クラークとは行き方がまったく違うのだ。それは弟ジェームスを2人目のベース・プレイヤーとして帯同していることからも明らか。

ツイン・ベース、ツイン・ギター、そしてKyd vs EWI となれば、普通は音数多すぎ、ぶつかりまくって交通整理が必要になりそうだが、ネイザン作品は決してそんなコトはない。ステージからの至近距離から各メンバーのプレイを見られたことで、各楽器の役割分担が手に取るようにわかって面白かった。熱心なフュージョン・ファンには、いつもライヴ・レストランの一番前でかぶり付きで観ている方が少なくないけど、バンド・アンサンブルの仕組みを知りたい時は、少し下がって全体像を見る方が良い。

それにしても、終始笑顔を絶やさないネイザン。その穏やかな人柄も、ファンが多い要因なのだろうな。