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スティーヴン・ビショップ 8年ぶりの来日公演@Billboard Live Tokyo 1st Showを観た。このところ日本へ来るたびに観ているので、かれこれ4〜5回目の観戦だろうか。今回も近年の定型フォーマットであるkyd:ジム・ウィルソンとの2人ステージだが、米国ではジムもヒーリング系ピアノ奏者として成功していて、ビッシュがゲスト参加したソロ作がある。そこでまずジムが2曲ピアノ・インストを披露し、ビッシュを招き入れる形でステージが始まった。

珍しく1日のみの日本公演ということで、ヴェニューはカジュアル席までほとんどフルハウス。まずは軽快な<Save It For A Rainy Day>で幕を開けた。ところが日本へ向かう機内で風邪を移されたそうで、ハイトーンはちょっと辛そう。それでも元々が楽曲の魅力で勝負するタイプだから、ヴォーカルで気になるところがあっても大勢に影響はなく、名曲の数々を惜しげもなく歌い切った。

セットリスト的には、代表曲<It Might Be You>や<Separate Lives>はもちろん、名バラード<Looking For The Right One>や、静かに琴線を揺らす<Careless>などを抜かりなく。 ジャズ・バラード<New York In Eighties>では、リズム・マシーン内臓のヘンテコな楽器(でも毎度お馴染み)を弾きながら、小粋にサラリと。アニメ映画のテーマだった<Animal House>では、ユーモラスな曲想で彼の作風の幅広さをアピールする。そして本編ラストでは、一大ヒット<On And On>を高らかに。やはりハイのところの発声は誤魔化し気味だったが、メロディの美しさは何モノにも代えがたいと改めて感慨にふけった。

アンコールでは、繊細なアコースティック・ギターが楽しめる<Madge>と、唯一の新曲<Everyone's gone to the Moon>を。

麗しのメロディと、繊細ながらも伸びやかなハイトーン・ヴォイス(今回は少々残念だったが)。そして時折 剽軽な楽曲やMCで沸かせる、いつものビッシュ流ステージ。モノマネのレパートリーも同じで新鮮味には乏しかったが、来日の度にライヴに足を運ぶビッシュ・ファンには、もうお約束事である。ホンネを言えば、ビッシュの場合はアルバム制作でもライヴでも、彼をきっちりプロデュースしてくれる第三者が必要だと思っているが、ビッシュ本人はそんなの何処吹く風で、とことんマイペース。昨年自主制作でリリースしたこの『BLUEPRINT』も、素敵な楽曲がいくつもありつつ、間に合わせで作ったようなプロダクションで損をしている。彼にはきっと、モノが言える良き理解者が必要だな。

《1st Set List》
1. Save It For A Rainy Day
2. Parked Car
3. Looking For The Right One
4. All I Gotta Do
5. New York In Fifties
6. Animal House
7. Careless
8. Pretty Baby
9. Separate Lives
10. Shipping Into Love
11. It Might Be You
12. My Clarinet
13. Everybody Needs Love
14. On And On
-- Encour --
15. Madge
16. Everyone's gone to the Moon

ちなみに2nd Showでは一部楽曲&曲順に変更アリで、カスケーズのカヴァー<RhythmOf The Rain>や<One More Night>を演ったとか。でもカナザワ的には<Looking For The Right One>を聴けたので、1stで良かったかも…。いずれにせよ、声の状態が良い時にバンド編成でのショウを観たい人である。