mari_bux bunny
あの忌まわしい震災から今日で6年。地震、津波、原発事故の三重苦で故郷を追われたままの人がまだ大勢いるというのに、あたかも事態が終息したかようなアベ発言に怒り心頭 とはいえココに集まる方々は、そういうカナザワの社会的発言を求めてやって来るワケではない。なのでココでは半ば淡々と、音楽のことだけをシッカリ語っていきたい。所詮 世の皆様に対してカナザワが何か貢献できるとするなら、やはりそれは音楽を通して、だと思う。

…というワケで、今日も和モノ・ビンテージ・ロックの流れを引き継ぎつつ、ビクター再発シリーズからはいったん離れ、シンコー・ミュージックから発売された金子マリ&BUX BUNNYのCD4枚組ボックス・セットをチョイス。オリジナル盤4枚はすべてソニー発で、2枚だけ出ていたリイシューCDも同じ。それ故その方面の担当に、「BUX BUNNY 出そうぜぃ〜」と持ち掛けたりしていたが、なんだ原盤所有はシンコーさんだったのね。

さて BUX BUNNYのオリジナル・アルバムは、『金子マリ&バックスバニー』(76年)、『ライヴ 〜 We Got To...』(77年)、『SHOOT THE MOON』(78年)、『スーパー・ナチュラル』(79年)の4枚。このうち1stと4thが初CD化となる。今回のボックスでは、その4枚を紙ジャケ仕様でコンプリート収録。結成メンバーは、金子マリ以下、永井充男(g)、鳴瀬善博(b)、難波弘之(kyd)、橋本英晴(ds)。3枚目からドラマーがジョニー吉長(後にマリと結婚)、4作目からは鍵盤がラッキー川崎にチェンジした。“下北のジャニス” と謳われたマリは、Charも在籍したスモーキー・メディスン出身。併行して大空はるみことTANTAN、亀淵友香の3人でヴォーカル・ユニットを組み、アチコチのスタジオ・セッションで歌っていた。

今もバリバリで活躍するメンバーばかりだけに、バンドとしてのダイナミクスは超一流。ジャニス・ジョプリンに喩えられながらも、マリ自身はルーファス&チャカ・カーンに心酔していたそうで、クロスオーヴァー・センスのファンキー・ソウル・スタイルを披露する。でも声を絞るかのような熱血シャウターぶりは、やはりジャニスっぽいか。それでいて各アルバムにインスト曲が配されているあたりに、BUX BUNNYの実力の高さが滲むようだ。

バンドの実力をアピールするにはライヴが一番、ということで、2枚目にして早くもライヴ盤をリリース。オリジナル曲に加え、十八番の<What's Goin' On>や、ジャニスのレパートリーだったジョン・ホール作<Half Moon>も演っている。それでもジョニーが加入してスケールが一枚大きくなったのは、紛れもない事実。カナザワ的には、やはりバランス感の良い3枚目『SHOOT THE MOON』押し、かな。ファンキー度は最後の4作目が一番。ま、現状ではセット売りしかないようなので、ココは一発、あるうつに買うときや〜!

家にはアナログ盤も揃っているので、20日のイベントでも何か掛けるでしょう。出演番組Premium Oneでもセレクトしたので、金子マリ&バックスバニー がチョッとしたマイ・ブームです。


buxbunny set