milky way
以前タワーレコードとのコラボレイトで再発展開していた Light Mellow's Picks で、5年前に初CD化したミルキー・ウェイのワン&オンリー作『SUMMERTIME LOVE SONG』。それがこの度、何とアナログ盤で復刻された。今回もタワーレコード限定で、CD化時の拙解説に手を加えて再掲載している。

さてこのミルキー・ウェイは、信田一男(kyd,vo)と松下誠(g,vo)という敏腕スタジオ・ミュージシャンによるツー・メン・ユニット。元々彼らはヤマハ主宰のネム音楽院の師弟関係にあり、講師兼セッション・ミュージシャンだった信田が、ネム卒業後の松下をプロの道へ引き込んだという経緯がある。信田はデビュー曲<裸足の季節>を含む松田聖子の初期作の編曲で知られ、さだまさしのツアー・バンドでも長年キーボードを担当して来た。一方の松下は、スタジオ・ミュージシャン集団のAB'Sやプログレ・フュージョン系のパラダイム・シフトで活躍したほか、 J-AORの名盤『FIRST LIGHT』などソロ作もアリ。そんな2人が、79年にリリースした企画作が、このアルバムだ。

そしてそのサウンドは、まさに浅井慎平のフォト・イメージ通りの、クール・ミントなアーバン・メロウ・アルバム。1曲目からパーシー・フェイスでお馴染みの<夏の日の恋>をブリージンなアレンジで聴かせ、アントニオ・カルロス・ジョビン<Wave>、ボズ・スキャッグス<Harbor Lights>といったボッサやAOR定番曲を、サラリと日本語で披露する。

とりわけ美味しいのは、ナタリー・コール<La Costa(浜辺のサンバ)>、信田と松下が愛聴していたニック・デカロの名盤『ITALIAN GRAFITTI』からスティーヴン・ビショップ作<Under The Jamaican Moon>のカヴァー、そしてナベサダが和製ボサノヴァ黎明期の67年に書いた名曲<白い波>。このオリジナルは “ユキとヒデ”(ヒデとロザンナの前身)で、トワ・エ・モアやアストラッド・ジルベルトにも歌われている。これらに加えて、絶妙にソフト・ロックした彼らのオリジナルなどを収録した。

チル・アウトする時に最適な作品で、DJソースになりがちなアナログ復刻に相応しいのかどうか、そこはよく分からないが、CDが出ても中古アナログの価格相場が全く下がらなかった一枚なので、やはりそれなりに需要はあるのだろう。それにしても、信田さんと誠さんの歌声がよく似ていて、どちらが歌っているのか、本人たちもよくわからなくなっていたのが面白いところ。ちなみにカナザワが Light Mellow's Choice でCD化した隠れ名盤、楠木恭介『JUST TONIGHT』も、いつの間にかアナログで復刻されていて、これもビックリ

SUMMERTIME LOVE SONG / MILKY WAY
JUST TONIGHT / 楠木恭介