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桜は大かた散ってしまったけれど、なかなか気持ちのイイ陽気になってきた。仕事もいろいろ入ってきていて、早くもゴールデン・ウィーク返上状態に。ライフワーク的なモノにも本格着手したいのに…と、うれしい悲鳴が溢れる。このところ少し鬱々としていたけれど、やっぱりイイ音楽をたくさん聴いて、アクティヴに発信していくのが自分のスタイルだわ

…というワケで、紺碧の空が印象的なマイク+ザ・メカニクスのニュー・アルバム『LET ME FLY』をご紹介。

ポール・キャラック脱退を受けて、ヒット曲を持つUKブラックのシンガー・ソングライター:ローチフォードと、英国で活躍するカナダ人シンガー/俳優のティム・ハウアーをフロントに迎え、新生メカニクスとして再登場したのが2011年。その時にリリースされた『THE ROAD』は、手堅くまとめたリフレッシュ作で、その後大規模なツアーにも出ていたらしい。14年には新曲入りの2枚組ベスト『THE SINGLES』もリリースしたが、日本サイドから見ると話題性に乏しく、あまり注目されなかった。その時の自分のポストを見ても、“やっぱり1stは英国ポップスの粋を集めていた気がする” なんて書いてたりして。

でもそのあたりは、マイク・ラザフォード自身も感じていたらしく…。この新生メカニクス2作目のブックレットにも、「このアルバムは初期メカニクスへの帰還だ」とハッキリ記していて、曲作りの段階からそれを意識したようだ。そしてそのソングライティングでローチフォード以上に貢献したのが、元ジョニー・ヘイツ・ジャズのクラーク・ダッチェラー。彼は全12曲中8曲にマイクの共作者として名を連ね、ピアノも3曲。マイクによれば、アルバム全体のムードを決定づける役割を担ったそうである。

冒頭のタイトル曲は、89年に全米No.1ヒットになった<Living Years>を髣髴させる壮大な曲。大編成のクワイア・コーラスが、如何にもそれ風だ。3曲目のミディアム<Wonder>は、リリカルなピアノが何処かブルース・ホーンズビーっぽい。<The Best Is Yet To Come>や<Don't Know What Came Over Me>ではウェットな哀愁メロディで英国産ポップスの矜持を見せつけるし、<High Life>ではフィル・コリンズの歌声が空耳しそうでもある。個人的白眉は、フロント2人の歌声が絶妙に絡み合う<Not Out Of Love>。ここでのローチフォード(?)のハーモニーは、まるでマイケル・マクドナルドのヴェルヴェット・ヴォイスみたいで、まさに悶絶モノ。ヒットするか否かとは別次元で、これぞオトナのための良質ポップスだと思う。ジェネシスとしてのリユニオンは、やっぱり無さそうだし。

それにしても、こんな風に誰かの心の空を自由に飛べたら、さぞ気持ち良いだろうなぁ…