tuxedo 2
最前線の洋楽ポップ・シーンに敏感な音楽ファンなら、きっと早々に聴き倒しているであろうタキシードの2nd。打ち込み時代のブルー・アイド・ソウル新星として注目されたシンガー・ソングライター:メイヤー・ホーソーンと、シアトルを拠点に活躍するヒップホップ・プロデューサー:ジェイク・ワンが、モロに80'sスタイルのディスコ/ブギー・ファンク・ユニット:タキシードとしてデビューしたのが、およそ2年前。どうせ単発プロジェクトだろうと思いきや、その後彼らは2度、3度と来日してライヴを行ない、サマー・ソニック2015にも出演した(行きましたッ)。

でも、ダフト・パンク<Get Lucky>を皮切りに、ファレル・ウィリアムスやブルーノ・マーズ、マーク・ロンソンといったディスコ〜ブギー・ファンク勢復権という後ろ盾があったとはいえ、このタキシード人気の過熱ぶりはチョッとビックリ。しかも所属レーベルが Stones Throw というインディで、日本配給も新興インディだから、驚きも倍増する。もちろんその音が若い世代のニーズにピタリ ハマったのは間違いナイけど、少ないバジェットを如何に有効に使うか、今はそのリサーチ手腕が問われる時代だ。

で、このタキシード2作目。自分も早々にゲットし、存分に楽しませてもらっている。スヌープ・ドッグやZAPPの結成メンバー:レスター・トラウトマン、ベテラン・ラッパーのコケインらのゲスト参加も、その筋では話題なのかな? ミディアム・スロウのアーバン・チューン<Shine>でメイヤーとデュエットしている女性シンガーは、ツアーでもキュートに歌っていたギャヴィン・トゥレック。彼女もダンサブルなソロ作を出したばかりなので、タキシード好きは要チェックだ。

リード・トラック<Fux With the Tux>を筆頭に、<2nd Time Around>や<Back In Town>、<July>といった、キャッチーでキラキラしたダンス・チューンのオン・パレード。カナザワ世代には懐かしいアナログっぽいシンセ音が、今の若い世代にはむしろ新鮮に聴こえるのだろう。<Special>なんて、ヒット街道爆進中だった頃のホール&オーツみたいだし。そのポップ度は、前作よりも一段レヴェル・アップしている。

ただこのアルバム、音楽的には意外性があまりなく、ほとんど想定内。ダズ・バンド、クール&ザ・ギャング、ギャップ・バンド、コン・ファンク・シャン、デイトン、シャラマーなどソーラー系の一連のグループ等など、レイト70's〜アーリー80'sに活躍したファンク・バンドの影響がそこかしこに覗いていて、そこが楽しいトコロだが、その分「オオッ」っと耳をそばだてる瞬間は少ない。例えば、デビュー直後のカシーフやザ・システムのように、先走って新しい時代の音を創造した、そういう斬新さやスゴ味には乏しいのだ。ま、親しみやすさかインパクトか、その選択の差かもしれないけど。ただ個人的には、2ndが出るならもっとアグレッシヴに、と思っていたので、「アラ、反対側へ行っちゃった」と…。

それでも、タキシードのようなユニットが高評価を受け、若い世代に人気が出ることは、きっと次へと繋がる。こりゃー早くもメイヤーの次作が楽しみになってきた。



Gavin Turek タワーレコード限定