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拙監修でクリンク・レコードが展開しているアナログ7インチ・シングル再発シリーズ【Light Mellow 和モノ45】の最新リリースは、3月に天へ召されたムッシュこと かまやつひろしのシングルを2カ月連続の追悼リイシュー。今回の対象は、今はなきトリオ・レコードに残されたAOR〜シティ・ポップ路線の作品群から、まずは『WALK AGAIN』(78年)に収録されていた<W.4th St>と<レイニー・サタデイ・ナイト>のカップリングで。

この『WALK AGAIN』は、ムッシュ初の海外録音盤。レコーディングはL.A.で行われ、深町純のアレンジ/サウンド・プロデュースの下、チャック・レイニー(b)、ラス・カンケル(ds)、ティム・メイ/大村憲司(g)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)らがセッションに迎えられた。“W.4th st” とはウエスト・フォース・ストリート、つまり西4番街とでも言うか。

  くちびるから溶けてく シルキーな夜に
  あなたとふたり 舟出しようか
  どこまでも行きたいね 誰もいない島
  裸のまま波にさらわれ 夜風に髪が流れては広がる


元々のオリジナル・ミックスのバランスが少し妙で、ヴォーカルが奥へ引っ込み気味なのが残念だが、何といっても 当時まだ日本デビューしたばかりのマイケル・フランクス国内盤に解説を寄せていた 洒落者ムッシュである。深町と手を組んで、AOR以前のソフト&メロウ・サウンドに真っ先にトライしたのが明白だ。カップリングの<レイニー・サタデイ・ナイト>が、当時のかまやつのバック・バンド:オレンジの kyd/vo だった山本達彦の作品、というのも泣かせてくれる。この7インチは既に発売中。

そして来たる5月24日には、追悼第2弾としてハワイ・レコーディングによる79年作『パイナップルの彼方へ』から、<Do You Wanna Ride>と<Empty Shore(あと一日だけの夏)>のカップリング・シングルを発売予定。どうぞ、以下からチェキあれ、

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