締め切りラッシュ絶賛継続中。まだオープンにしにくいのもあるので、今日は先日ご紹介したジミー・スフィーリスと同発された【Light Mellow's Choice】シリーズのブルックリン・ドリームス、3rdアルバム『JOY RIDE』を。日本では代表作とされる2nd『SLEEPLESS NIGHT』が10年に初CD化。少し遅れて英国で1st『BROOKLYN DREAMS』が復刻されたが、今回の3rdは初CD化。これで残るは、一番AOR色の強い4th『WON’T LET GO』だけになった。
ブルックリン・ドリームスは、故ドナ・サマー(12年没)の専属コーラス隊として名を上げ、共演曲<Heaven Knows>(79年/全米4位)で広く知られている。メンバー3人はいずれもブルックリン生まれで、互いに幼馴染み。メイン・ソングライターであるブルース・スダーノは、ドナの夫君として彼女の最後を看取った人で、リード・シンガーのジョー・エスポジトは、ジョルジオ・モロダーと組んでヒット映画『FLASHDANCE』のサントラに参加したのが有名。モロダーのリーダー作でもフィーチャリング・シンガーを務め、96年に初ソロ作を発表した(本邦未発)。もう一人のエディ・ホーケンソンは、ボビー・ウーマックやグラディス・ナイトらのバックで歌ったのち、ジョーと合流してケニー・ヴァンス&ザ・プラノトーンズに参加している。
そんな3人は、少年の頃から一緒に街角に立ってドゥワップを歌っていたそう。その後各々の道を進み、L.A.で再び邂逅する。そこに、ティーンエイジャーの頃から3人が歌っているのを見ていたニューヨーク出身のカサブランカ・レコード女副社長が現れ、グループを組むよう助言。77年にカサブランカの傍系レーベルで、人気プロデューサー:ジミー・イエナーが興したミレニアムからデビューすることになった。イエナーはスリー・ドッグ・ナイトやラズベリーズを育てた人で、彼らを既に解散していたスリー・ドッグ・ナイトの後継にしたかったようだ。
前作『SLEEPLESS NIGHTS』と同じ79年に発表されたこの『JOYRIDE』は、彼らの作品群で一番ディスコ色が濃いもの。内容充実の前作がセールス面で苦境に喘いだため、ここでは急遽テコ入れが施され、ドナのブレーンを投入。失地回復を図るべく、すぐさま制作がスタートした。プロデュースはモロダーお抱えエンジニアのユルゲン・コッパーズで、アレンジはソー・バルダーソン。そしてメインの演奏陣はバルダーソン率いるミューニック(ミュンヘン)・マシーンの面々。ドナも3曲で曲作りを手伝い、一緒に1曲歌っている。録音もモロダー・ファミリーの本拠地ミュージックランド。ただし一部ダビングがL.A.で録音され、ジェイ・グレイドン/スティーヴ・ルカサー/ジェフ・バクスター(g)、ゲイリー・ハービック(sax)らが音を重ねた。
とにかくドナが大当たりし、ビー・ジーズ『SATURADAY NIGHT FEVER』旋風が吹き荒れたタイミングである。ローリング・ストーンズ<Miss You>、ロッド・スチュワート<Da Ya Think I’m Sexy?>、ブロンディ<Heart Of Glass>、ハーブ・アルパート<Rise>など、畑違いのアーティストがディスコ・アプローチでシーンを席巻していた。だから、<Heaven Knows>の成功を自分たちの作品に生かせなかった反省が、彼らにこうした分かりやすいディスコティーク路線の作品を作らせたのは、よく理解できる。けれどそれが当たるか否かは、また別問題。同じ制作陣が同じ手法で同じような作品を作っても、2匹目のドジョウは簡単には捕まらない。それでも40年近くが過ぎた今になって聴き直すと、好盤とは言えないものの、なかなか興味深く聴けたりするから面白い。
韓国制作の国内流通盤ゆえ、ジャケのコインのエンボスが再現されてなかったりするツメの甘さはあるけれど、先行CD化された1作目や『SLEEPLESS NIGHTS』がお好きなら、手に入れておいて損はないと思うな。
そんな3人は、少年の頃から一緒に街角に立ってドゥワップを歌っていたそう。その後各々の道を進み、L.A.で再び邂逅する。そこに、ティーンエイジャーの頃から3人が歌っているのを見ていたニューヨーク出身のカサブランカ・レコード女副社長が現れ、グループを組むよう助言。77年にカサブランカの傍系レーベルで、人気プロデューサー:ジミー・イエナーが興したミレニアムからデビューすることになった。イエナーはスリー・ドッグ・ナイトやラズベリーズを育てた人で、彼らを既に解散していたスリー・ドッグ・ナイトの後継にしたかったようだ。
前作『SLEEPLESS NIGHTS』と同じ79年に発表されたこの『JOYRIDE』は、彼らの作品群で一番ディスコ色が濃いもの。内容充実の前作がセールス面で苦境に喘いだため、ここでは急遽テコ入れが施され、ドナのブレーンを投入。失地回復を図るべく、すぐさま制作がスタートした。プロデュースはモロダーお抱えエンジニアのユルゲン・コッパーズで、アレンジはソー・バルダーソン。そしてメインの演奏陣はバルダーソン率いるミューニック(ミュンヘン)・マシーンの面々。ドナも3曲で曲作りを手伝い、一緒に1曲歌っている。録音もモロダー・ファミリーの本拠地ミュージックランド。ただし一部ダビングがL.A.で録音され、ジェイ・グレイドン/スティーヴ・ルカサー/ジェフ・バクスター(g)、ゲイリー・ハービック(sax)らが音を重ねた。
とにかくドナが大当たりし、ビー・ジーズ『SATURADAY NIGHT FEVER』旋風が吹き荒れたタイミングである。ローリング・ストーンズ<Miss You>、ロッド・スチュワート<Da Ya Think I’m Sexy?>、ブロンディ<Heart Of Glass>、ハーブ・アルパート<Rise>など、畑違いのアーティストがディスコ・アプローチでシーンを席巻していた。だから、<Heaven Knows>の成功を自分たちの作品に生かせなかった反省が、彼らにこうした分かりやすいディスコティーク路線の作品を作らせたのは、よく理解できる。けれどそれが当たるか否かは、また別問題。同じ制作陣が同じ手法で同じような作品を作っても、2匹目のドジョウは簡単には捕まらない。それでも40年近くが過ぎた今になって聴き直すと、好盤とは言えないものの、なかなか興味深く聴けたりするから面白い。
韓国制作の国内流通盤ゆえ、ジャケのコインのエンボスが再現されてなかったりするツメの甘さはあるけれど、先行CD化された1作目や『SLEEPLESS NIGHTS』がお好きなら、手に入れておいて損はないと思うな。