iseki green
キマグレンのソングライティング、ヴォーカルを担当していた ISEKI が、満を持してソロ・プロジェクトをスタート。その第1弾が、この『AOR FLAVA 〜mellow green〜』だ。季節ごとに4枚のミニ・アルバムをリリースする企画で、その中身はタイトル通り、AOR風味のJ-POPカヴァー。基本は1作8曲入りで、カヴァー7曲にコラボレイトによるオリジナル新曲が1曲入る。その AOR FLAVA シリーズの楽曲解説を担当することになった。

15年のキマグレン解散以来、弾き語りによるソロ・ライヴは果敢に行ってきた ISEKI。だがバンドを従えてのスタジオ・セッションはコレが初めてで、まずは自身のシンガー・ソングライターとしての活動スタンス、音楽的方向性を再確認するため、これまで彼が親しんできたJ-ポップの名曲たちを選りすぐってカヴァーすることになった。AORテイストで行くことはマネージャー氏のアイディアらしいが、ISEKI自身、ボズ・スキャッグスやネッド・ドヒニーを愛聴しているということで、掴みはOK。元々伸びやかな歌声には定評のあるところで、カナザワ自身、魅力再発見といったところ。

収録曲は以下の通り(順不同)
・DOWN TOWN (シュガー・ベイブ)
・しらけちまうぜ (小坂忠)
・接吻 (オリジナル・ラヴ)
・メロディー (玉置浩二)
・シングルベッド (シャ乱Q)
・十人十色 (大江千里)
・ドラマティック・レイン (稲垣潤一)
・HOLD YOU feat.中田裕二

ぶっちゃけ、カナザワ的には馴染みの薄い曲もあるのだが、実際に聴けば耳馴染みバッチリ。例えばシャ乱Q<シングルベッド>なんてパワー・バラードがアッと驚くボサノヴァ・アレンジになっているし、鈴木雅之がひと足早く取り上げた玉置浩二<メロディー>をピアノ・バラードに仕上げたアイディアもナイス。16ビートのピアノを核としたキーボード主体のAORアレンジで聴かせる大江千里の出世曲<十人十色>にも、思わずニヤリ…

しかもオリジナル・ラヴ<接吻>では、リズム隊に小松秀行(b)、佐野康夫(ds)というオリ・ラヴゆかりのコンビを起用。このあたりアレンジャーもスタッフも、よーく分かってるな

…というワケで、そろそろ8月発売予定になっている次の『 AOR FLAVE 〜sweet blue〜』の解説を書かなくては。