tom johnston
前回、前々回のポストにコトの顛末を書いたように、締め切りラッシュの中で何とかブログ記事を上げてきたのに、3日間 facebookに何も書き込めず、モチベーションだだ下がり。結局そのまま更新中断に陥って、ようやく復活。立ち直ったのは、ゴールデン・ウイーク突入前から続いていた “毎日が締切状態” から約3ヶ月ぶりに脱出し、ようやく自分のペースで仕事ができそうになってきたのがひとつ。廉価シリーズで文字数が少ないとはいえ、約3ヶ月で70本前後ライナーを書いたのだから、コレは自分を褒めてあげたい。ま、関係筋にはデッドライン引っ張ったりして一部ご迷惑をお掛けしましたが… そしてもうひとつは、この7月15日でブログ開設から丸13年が経過し、14年目に突入したこと。なので気分一新とばかりに、ブログとfacebook、同時にデザインを変えてみた。いかがでしょうか?

さてアップしたのは、途中でストップしてしまったワーナー・ジャパン【WEST COAST 1300 COLLECTION】の続編で、ドゥービー・ブラザーズを抜けたトム・ジョンストンのソロ1作目(79年作)。4月に観たドゥービーの来日公演でも、ひと際元気にハイトーン・ヴォイスを張り上げる姿が印象的だったが、いくらAORファンとはいえ、やっぱりドゥービーはこの人がいるのがデフォルトなんだと思う。

グループ脱退から2年が過ぎて、さすがに音の肌触りには時代性が表れたが、演っているコトはやはり前期ドゥービーのまま。プロデュースも、一連のドゥービー作品を手掛けてきたテッド・テンプルマンだ。バックにはリトル・フィートからビル・ペインとポール・バレアー(g)、タワー・オブ・パワーからは看板ホーン・セクションと名物ドラマー:デヴィッド・ガリバルディ、そしてジム・ケルトナー(ds)とポール・スタールワース(b)というアティテューズのリズム・コンビに、クラッキンのリック・チューダコフ(b)、『ドゥービー・ストリート』に参加したメンフィス・ホーンズ、そしてバーバンク派のマスコット:ニコレット・ラーソンなど、いわゆるワーナー系、バーバンク一派が多数参加している。TOTOのデヴィッド・ペイチ(kyd)やボブ・グラウブ(b)の名もあるが、やはりいの一番に目が行くのは、マイケルやキース・ヌードセン(05年没)ら、ドゥービーのメンバーの名前たちだろう。

でも長い間トム一緒に頑張ってきたパット・シモンズ、タイラン・ポーター、故ジョン・ハートマンら、初期メンバーのクレジットはなし。そこにグループ主導権を巡る両者のシコリがジンワリ滲む。一般的にはマイケル・マクドナルドがグループを乗っ取った、とか言われるけど、実際のマイケルは温和なキャラ。新生ドゥービーの表看板ではあるけれど、裏で彼を操って主導権を握っていたのは、間違いなくパットだった。

79年といえば、まさにドゥービーが<What A Fool Believes>と『MINUTE BY MINUTE』で全米チャートを席巻したタイミング。そんな時トムは、彼らの大成功を横目に見ながら、シコシコとこの初ソロ作を作っていた。タバコに火を点けながら黙して語らず、背中でモノを言う…。そんな男の孤独感や悲哀が、このアートワークからダイレクトに伝わってくる。『EVERYTHING YOU’VE HEARD IS TRUE(真実の響き)』---- 噂はすべて本当さ。いやぁ、言いたいコトはいっぱいあっても、寡黙にして言い訳しない。ソンナオトコニワタシハナリタイ。