joe walsh
引き続きワーナー・ジャパン【WEST COAST 1300 COLLECTION】から、カナザワ解説執筆ネタを。で今回は、ジョー・ウォルシュ『BUT SERIOUSLY, FOLKS...』。邦題『ロスからの蒼い風』。アートワークは水中レストラン、タイトルは「みんな、オレ真面目にやってるんだよ」という人を喰ったシチュエーションなのに、邦題は少々カッコ良すぎるような…

78年のリリースで、衝撃的だったイーグルス加入後の初ソロ・アルバム。言うまでもなく『HOTEL CALIFORNIA』が超シヴィアな作品で、ジョー持ち前のユーモアを発揮する場がなかったから、その反動と言えるかな? ハードな曲はイーグルスでもできるから、そうじゃない ゆる〜い楽曲、ちょっとお遊びっぽい楽曲をココにまとめた印象だ。もっともその代表曲で、レゲエとカリプソを掛け合わせた<Life's Been Good(この人生に賭けて)>が全米12位の大ヒットになり、結局イーグルスのステージにも掛けられるのだけれど…。

プロデュースはイーグルスと同じくビル・シムジク。レコーディングに使ったのも、フロリダにあるシムジクのスタジオだ。そうした明るい陽光と青い海に囲まれ、ノビノビ楽しみながら制作に当たったから、トロピカル・フレイヴァーが充満。これからの季節にジャスト・フィットしそうな一枚になっている。他にも<Over And Over>に始まり、<Second Hand Store>、<Indian Summer>、<Tomorrow>と、好曲多数。ジョーのソロ作はイメージとは裏腹に案外ビート・ナンバーが少ないが、それを逆手にとったアコースティック・チューンが冴える。痺れるような歌声はいつのままでも、サウンドはだいぶ取っ付きやすくなった。

イーグルスの面々は全員集合。ジョーの右腕:ジョー・ヴァイターレ、ジェイ・ファーガソン、ウィリー・ウィークスも参加している。ジェイムス・ギャング時代のようなソリッドな音は聴けないけれど、やっぱりイイ味出してるわぁ。