prism_live alive
先週アタマで締切ピークを脱し、ようやく自分のペースで仕事を組めるようになって、ゲットしたきり放置プレイしていたアイテムをボチボチと。このプリズムの81年ライヴ『LIVE ALIVE』も、ワーナー【J-FUSION 40th ANNIVERSARY COLLECTION】シリーズで6月にリイシューされたものだ。

では何故コレを真っ先に手にしたかというと、元々1枚モノのライヴ盤だったのが、今回は Expanded Versionとして4曲30分超の初出音源を加えた2枚組拡大仕様になったから。メンバーも和田アキラ(g)以下、渡辺建(b)、中村哲(kyd)、そして故・青山純(ds)という、再現不可能な編成だ。最近はサックス奏者としての活動が目につく中村哲が、プリズムでは、ほぼ鍵盤に専念していたんだな。

その存在もあるのだろう、この時期のプリズムは、一番プログレッシヴなロック・フュージョン的要素が強い。もちろん、これ以降の和田アキラ=渡辺建の双頭体制時代はずっとその路線だけれど、ライヴ・バンドとしての醍醐味がスゴイというか。特にキーボードは、もろジェネシスになる場面がチラチラ。オルガンの使い方なんて、ほとんどピーター・ガブリエル時代のトニー・バンクスみたいだ。カナザワの場合、プリズムのライヴを聴こうと思ったら、初期プリズムの2枚組『PRISM LIVE』を手に取るし、ワーナー期のアルバムでは『SURPRIZE』を聴いてしまう。なのでこの『ABSOLUTERY』は、長いコト耳にしていなかった。そして久々に聴いて、こんなにジェネシスっぽかったっけと、今更ながらに驚いてしまった次第。

今も和田アキラがひとり頑張ってプリズムを引っ張っているのは、実に尊いことだと思う。でも自分にとってのプリズムは、正直この頃までが一番シックリしてた。渡辺建が持ってくるバラード・チューン(もちフレットレス・ベースのソロ入り)、中村哲のプログレっぽい曲も、それぞれ主張があって、グループのバランス感が良かったと思うのだ。

ただこのシリーズ、廉価盤とはいえ解説がないのが残念。往年のフュージョン・ライターではなく、今の視点でそれを語れる誰かに書いて欲しかったところ。ちなみにプリズムは今月、40周年記念セルフ・カヴァー・ベスト・アルバム『CELEBRATE』をリリースする。