danny kortchmar 2
怒涛のライヴ週間5本目にして とりあえず打ち止めの1本は、ダニー・コーチマー@Billboard Live Tokyo。これまで何度か来日はあったけれど、まさか自分のバンドを率いてのソロ・ツアーがあるとは思わなかったから、ジャパン・ツアーのニュースを耳にした時はたいそう驚いた。ソロ・アルバムは知る人ぞ知るマニアックな好盤『KOOTCH』(73年)と、ちょうど再発されたばかりのパンキッシュな謎盤『INNUENDO(危険な遊び)』の2枚だけ。ザ・シティ、ジョー・ママ、ザ・セクション、そしてアティチューズと結構なバンド作品はあるけれど、基本的には職人的なバイ・プレイヤー的ギタリストというイメージだから、最初はどんなステージになるのか想像ができなかった。裏方好きな日本のファンは結構な熱気を持って迎えるだろうけど、下手するとかなり地味なショウにになるのでは? そんな危惧さえ抱いていた。その後、彼がこれまでに関わってきたアーティストたちのヒット曲を絡めたセットリストになると聞き、ちょっと安心したのだけれど…。

来日メンバーはダニー以下、スティーブ・ポステル(g,vo)、ジェフ・ヤング(kyd,vo)、ボブ・グラウブ(b)、そしてスティーブ・ホーリー(ds)。名が通っているのはボブ・グラウブくらいだが、ジェフ・ヤングはジャクソン・ブラウンのサポート・メンバーが長く、ドナルド・フェイゲンやスティングとの共演歴もある人。スティーブ・ポステルはジョン・オーツ/ホール&オーツと共演している。英国人のスティーブ・ホーリーは元ウイングス。ポール・マッカートニーのソロでの幻の初来日、成田で御用になった時のドラマーが、このホーリーだった。

肝心のステージ、序盤は案の定やや大人し目のスタートだったが、ジャクソン・ブラウン<SomeBody' Baby>や<Shaky Town>、ドン・ヘンリー<Dirty Lundry>や<New York Minute>、ジェイムス・テイラー<Machine Gun Kelly>(ジョー・ママでも)や<Honey Don't Leave L.A.>あたりをドンドン繰り出した後半は、エラい盛り上がり。ギターもたっぷり聴かせてくれたが、ポステルにもどんどんソロを振るなど、バンド・メンバー然とした動き。ヴォーカルもダニーと交代でポステルやヤングが歌い、ダニーよりもむしろイイ感じ。バンドとして非常にまとまりが良かった。

動員的には東京1日2公演(あと大阪がある)でちょうど良かったのかな?と思ったが、メディアの取材は多く、2日間にわたって多くのインタビューをこなしたとか。故に2nd Show終了後はヘロヘロで、ホントのサイン会できるの?といった状況もあった様子。自身で弾いて歌って、のソロ・ライヴには不慣れだろうから、いきなりソレはちょっとキツかったか? それでも気分は上々だったようで、また近いうちに帰ってくると明言。日本人マネージャーもついたようだし、期待して良いでしょう。個人的には、ドン・フェルダーの2度のソロ・ツアーを思い出した次第。典型的ウエストコースト仕様のバンド・アンサンブルというう、職人ギタリスト的立ち位置といい、自身が参加したヒット曲との距離感といい、佇まいに何か共通するものを感じた。