chuck loeb
またもや訃報。ジャズ・フュージョン系の敏腕ギタリスト、最近ではフォープレイのメンバーとして知られるチャック・ローブが、7月31日午後ニューヨークで死去した。ここ数年癌を患いながら活動していた。享年61歳。

彼の名を知ったのは、確か90年代中頃。dmpというオーディオ・ファイルのCDを作っていたレーベルからリーダー作を出していた頃だ。その後、ミッチェル・フォアマン(kyd)、アンソニー・ジャクソン(b)、ウルフガング・ハフナー(ds)らと組んでいたメトロのアルバムを聴き、「こりゃスゲエ!」と感嘆。90年代終わり頃から、チャックのソロ作が出る度にチェックするようになった。リー・リトナー、ラリー・カールトンに次ぐ3代目ギタリストとして参加したフォープレイでは、10年作『LET'S TOUCH THE SKY』からクレジット。直近の来日には同行できず、サックスのカーク・ウェイラムがトラを務めたが、当然一時的なもので、体調が戻れば復帰するものだと思っていた。それがこういう形になろうとは…。

ニューヨークの人で、リトナーやカールトンというよりは、パット・メセニーに近い資質を持つギタリストだと思う。繊細なトーンから空間的な広がりを醸し出すプレイが特徴で、ちょっとインテリっぽいイメージ。最近はスムーズ・ジャズだけれど、本来はもっとイナジネイティヴな演奏`楽曲を身上とする。それがウィル・リーのバンドで来た時は、故ハイラム・ブロックが乗り移ったかのようにウィルと一緒にギターを弾きながらヴェニューを走り回り、テーブルを渡り歩くヤンチャぶりにビックリ。アレレ、チャックってこんなノリの良い人だったの?と、イメージ大逆転。それでいて大人の集団であるフォープレイでは、シッカリと抑えたプレイで貢献する。そんな柔軟性にも驚かされた。

この『UNSPOKEN』は、昨年Shanachoeから出した最新ソロ。スターター<Cotton Club>は、生前チャックのお気に入りのライヴ・ハウスだった、まさに丸の内のコットン・クラブをテーマにした楽曲で、ジェフ・ローバーをフィーチャー。ほか10曲もそれぞれにゲストを迎えており、アンディ・スニッツァー、ブライアン・カルバートソン、メトロでの盟友ミッチェル・フォアマン、エヴェレット・ハープ、エリック・マリエンサル、ティル・ブレナー、デヴィッド・マン、そして奥様でもあるシンガー:カーメン・クレスタに愛娘クリスティーナと、豪華なキャスティングが華を添えた。まさかコレが遺作になるとは…。

Rest in Peace...