glen campbell
米国を代表するカントリー系ポップ・シンガーでギタリストでもあるグレン・キャンベルが、8日ナッシュヴィルで死去。ここ数年アルツハイマー病を患い、闘病生活を送りながら、音楽活動を継続。12年に大規模なフェアウェル・ツアーを行ない、この6月に最後のアルバムとして発表した『ADIOS』が、まさに遺作となった。享年81歳。

ただ、ファンの方は大変申し訳ないが、カントリー・フィールドの人ということで、カナザワはグレンに特別な思い入れはない。それでも我が家には2〜3枚のアナログ盤と、CD数枚があった。13年に出た『SEE YOU THERE』は、代表曲ばかりをシンプルな新アレンジで収録したセルフ・カヴァー集。聴いてみたら、何気なく知っている曲ばかりでチョッと驚いたのを覚えている。個人的には、ジミー・ウェッブとのコラボが一番興味深かったな。

でも90年代半ば頃、友人に教わって驚いたのが、76年作『BLOODLINE』や、上掲の77年作『SOUTHERN NIGHTS』だった。『BLOODLINE』はデニス・バンバート&ブライアン・ポッターのプロデュースで、アレンジに元ガリヴァーのトム・セラーズと、我らがマイケル・オマーティアン。バックにはデヴィッド・ペイチ、ラリー・カールトン、リー・スクラー、エド・グリーン、トム・スコットらがいる。一方の『SOUTHERN NIGHTS』は、エンターテイメント・カンパニーのゲイリー・クライン制作。アレンジにチャーリー・カレロ、ジャック・ニッチェ、そしてジム・ウェッブ。こちらにはデヴィッド・フォスター、デヴィッド・ペイチ、ジョー・ポーカロ(親父ね!)の名がある。タイトル曲はナンとアラン・トゥーサンのあの曲だし、ビーチ・ボーイズ<God Only Knows>のカヴァーを取り上げていた。

カントリー・シンガーがこうしたポップス路線に踏み込むのは、ドリー・パートンと一緒。しかもエンターテイメント・カンパニー制作だから、完全に踏襲だ。実際この辺りのアルバムはカントリー色が薄く、ポップス・ファン、MORファンにも耳馴染みが良い。さすがにAORではないけれど、70年代後半を象徴する都会派サウンドに向かった作品とは言えるだろう。

訃報に際して “カントリーの大御所” という枕詞で語られるのは明らかだが、真の音楽ファンなら、決してそれだけの人ではなかったことを知っておいて戴きたいと思う。

Rest In Peace...