liv taylor_safe home
米では3月にこっそりリリース、日本でも5月くらいから出回っていたリヴィングストン・テイラーのニュー・アルバム『SAFE HOME』をようやく。昨年9月に来日し、なおかつ【AOR CITY 1000】廉価再発もあったので、全然お久しぶり感はなく、“アレ、もう出たの?”ってな感覚だったが、新作としては14年作『BLUE SKY』以来となる。

現在は名門バークリー音楽学校の教授を務めながら、マイペースでアーティスト活動を続けているリヴ。小振りながらもそのアクティヴさは兄ジェイムス以上だ。ただ今回は、リヴのソロ・アルバムという体裁ながら、その中身は今までに3枚のアルバムを出している中堅実力派シンガー・ソングライター:チェルシー・ベリーをフィーチャーしたもの。リヴとチェルシーそれぞれのリード曲もあれば、デュエット曲もある。チェルシーの歌は、シェリル・クロウとK.D.ラングをミックスしたような感じで、何処か清楚な佇まいで。

更にもうひとりフィーチャーされているのが、ジャズ・ピアノのシェリー・バーグだ。よってアルバムのテイストは、アコースティックな響きを持ったフォーキー・ジャズ。リズムはデイヴ・フィンク(b)と名手バシリ・ジョンソン(perc)に拠るドラムレスの編成で、小粋かつラウンジーに聴かせる。…といってもリヴの人懐っこさは相変わらず。チェルシーと共に歌う『オズの魔法使い』からのメドレー<Merry Old Land Of Oz / Over The Rainbow>あたりはまるで子守唄のようで、思わずウットリ

加えて、ケニー・ランキンも歌っていたビートルズ・ソング<Penny Lane>、エヴァリー・ブラザーズのカヴァーでジョージ・ハリスンが歌っていた<Bye Bye Love>なども、フォーキー・ジャズのマナーを生かした作り。<春の如く(It Might As Well Be Spring)>、<People Will Say We're In Love>、<Never Never Land>、<My Romance>、<Anything You Can Do>など、スタンダードやミュージカル曲が多く歌われているのも特徴となっている。でもそれがウォームなリヴと凛としたチェルシーの歌声でゆったり歌われると、シンプルでネイキッドな作風なのに、とてもリッチに感じられるから不思議だ。

ちなみリヴは、今年が音楽活動50周年(デビューは70年)。いつまでも元気で優しい歌声を!