toru yazawa
しばしのブログ更新休止で、8月末に発売された【Light Mellow 和モノ】オリジナル・アルバム・リイシューのユニバーサル編第1弾がロクに紹介できなかったので、第2弾が出る前に取り急ぎ。この矢沢透とは、あのアリスのドラマー:キンちゃんのこと。彼が78年にリリースしたワン&オンリーのソロ作が、今回初CD化。それが実はシティ・ポップス的にヤバイのだ

例えば、かぐや姫の南こうせつに対しての伊勢正三。グレープのさだまさしに対しての吉田正美。いわゆるフォーク・グループ看板役のパブリック・イメージを程よく裏切りつつ、実はそのイメージをヤンワリ広げる役割を担っているというか。要するに音楽的に柔軟ってこと。正やんはAORで、吉田正美はジャズ/ボッサだったが、果たしてキンちゃんは何でもアリ!であった。

バリー・ホワイトかMFSBかという<スプリング・タイム>に、タイトル通りの<ボッサ・デ・スー>や<ホリデイ>、<嵐の夜>はそのままディープ・パープル<Stormbringer>だし…。さすがにヴォーカルは素人っぽいものの、全曲、作詞・作曲はキンちゃん自身だと知って、その隠れた才能に驚かされる。ディスコ、ポップス、ボサノヴァ、ロック、フュージョンと、まさに『バラエティー・ツアー』と呼ぶにふさわしい音楽の世界一周記。アレンジはジャズ・ギタリストの直居隆雄で、よく見ると1曲だけオフコースの鈴木康博がアレンジを手掛けている。うーん、彼もまた名脇役だな。

アリス解散後は、鷺巣詩郎やジョン・スタンレー(八神純子の旦那)とBLENDを組んだことはそれなりに知られているけれど、アリス結成前のキンちゃんが、17歳でジャズ・ドラマーとしてプロ・デビューし、その後は惣領泰則率いるブラウン・ライスのサポート・ドラマーを務めていたことは知らない人が多いんじゃないかな? いずれにせよ、このアルバムを聴いてるのがアリス・ファンだけだとすると、チョッともったいないナ。