footloose
フットルースといっても、ケニー・ロギンスで有名な映画のサントラではなく、デヴィッド・フォスターと一緒に来日したこともあるティム・フィーアンが在籍していたカナダの5人組。その唯一のアルバム(80年)が、密かに紙ジャケットでリイシューされている。しかもクール・サウンドが01年に出したものに、2枚のアルバム未収シングル計4曲をボーナス追加。当時の解説には、“アルバム1枚で解散” と書かれていたけど、実際はそのあともバンドは存続し、83年まではリリースがあったことになる。

実は割と最近、超メロウなシングル曲<Leaving For Maui>がFM番組のハワイ・コーナーで流れていて、かなりブッ飛んだ。それはきっと、MURO氏の影響で最近になってハワイ物を続々発掘しているALOHA GOT SOULあたりに感化されているのだろう。70年代のセシリオ&カポノやカラパナのデビューから数えると、コンテンポラリー・ハワイアン人気も既に4巡目くらいに入っている感じだけど…。でもそのドサクサで、こんなカナダのマイナー・グループに再度スポットが当たるなら嬉しい。

55年生まれのティムが地元エドモントンで色々なバンドを組んだり壊したりしているうち、何となく手応えを掴んだのが、このフットルース。レコード契約のキッカケになったのも、まさにこの<Leaving For Maui>で、79年にカナダや米国でアルバムに先駆けてシングル・リリースされ、本国カナダとハワイでは結構なヒットを記録したらしい。フォスターと絡んでからのティムには、ややロック寄りのAORシンガーというイメージを抱くが、このアルバムではまだグロウ・アップ中。ロック寄りの楽曲が少々野暮ったかったり、シンセの導入が実験的だったりするのに比べて、時節柄 都会派ブルー・アイド・ソウル路線に則った楽曲が多く、グループの売りのひとつになっている。

アルバム発売後のシングルは81年と83年のリリースで、前者のA/B面2曲はティム不在。だが後者ではティムが歌っていて、6人編成になっている。曲調はパワー・ポップで、83年の<Who's Lovin' Her Now>はなかなかの好曲だ。

現状、販路は限られているけれど、国内盤を入手し損ねていた方には朗報だろう。

Super Oldies Label