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引き続き【ソニー・クロスオーヴァー&フュージョン・コレクション1000】のラインアップから、今日発売分であるチャコレート・ジャム・カンパニーの1st(79年)。かのドラマー:ンドゥグ・レオン・チャンクラーのユニットというのは、当ブログの常連さんには要らぬ情報かな? もちろんコレも、拙ライナー執筆ネタです。

ンドゥグが日本で知名度を上げたのは、おそらくジョージ・デュークのレギュラー・ドラマーとして、ではなかったか? でもその付き合いは結構古く、既に73年録音『FACES IN REFLECTION』から常連。その時にはもうウィリー・ボボ、フレディ・ハバード、ハービー・ハンコック、ハンプト・ホーズらとセッション経験を持ち、71年秋にはマイルス・デイヴィス・グループのツアーに加わっている。74年にサンタナに加入。<哀愁のヨーロッパ>及び人気『AMIGOS』(76年)でドラムを叩いたり、コ・プロデュースなどで貢献していたのは、実はンドゥグなのだ。また同時期にウェザー・リポートに関わり、『TALE SPINNIN’(幻想夜話)』(75年)にも参加している。

時代はクロスオーヴァー・ブーム真っ盛り。ハーヴィー・メイスン、ノーマン・コナーズ、ナラダ・マイケル・ウォルデン、レニー・ホワイト…と、ドラマーが太鼓持ちの枠を乗り越えてトータル・サウンド・クリエイター色を打ち出し、コンテンポラリーなポップ・ソウル・フィールド進出を目指すことが珍しくなくなっていた。彼らの瞳には、きっとモーリス・ホワイト(アース・ウインド&ファイアー)が大写しになっていたはずである。もちろんンドゥグも例外ではなく、…というよりも、サンタナやデュークと近かった分、「オレも!」と野心を燃やしていただろう。それがチョコレート・ジャム・カンパニー(以下CJC)になった。

ただしCJCは、バンドというよりユニット/プロジェクトで、正規メンバーはンドゥグと2人のシンガー、共にビル・サマーズ&サマーズ・ヒート出身のヴァージニア・エアーズとレオ・ミラーだけ。サマーズ・ヒートの初期作はンドゥグのプロデュースだったから、それをそのまま召し上げたのである。作曲もすべてンドゥグのペン(共作はアリ)。参加メンバーにはデュークと彼のバンドのバイロン・ミラー(b)、デヴィッド・T.ウォーカー/アル・マッケイ(g)、ロニー・フォスター/ジョン・バーンズ/グレッグ・フィリンゲインズ(kyd)など。おそらくライヴは二の次だったのだろう。ホーンと弦のアレンジは旧知のレジー・アンドリュース。レジーとンドゥグは後に制作チームを組み、クリークやプラチナム・フック、ジェネラル・ケインなどを手掛け、ダズ・バンド<Let It Whip>(82年・R&B首位/全米5位)のヒットを飛ばす。

アルバムでは16分超の組曲などあって、EW&F や P-ファンクの影響がアリアリ。でもフュージョン感覚で聴けば、面白い発見があるはずだ。80年にオージェイズやジョーンズ・ガールズらをゲストに迎えた2作目『DO I MAKE YOU FELL BETTER?』を出すが、商業的に恵まれず、そのまま消滅。その後ンドゥグはクルセイダーズに加入したり、ソロ作(88年)を出したり…。近年はデヴィッド・T.のバンドで、ほぼ毎年来日している。

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