david cassidy
約3週間のブログ更新停止中に、デヴィッド・キャシディの訃報が届いた。11月21日、肝不全のためフロリダ州フォートローダーデール近郊の病院で死亡。今年、認知症を発症したことを公表したばかりで、亡くなる数日前から多臓器不全のため入院し、ICUに入っていた。享年67歳。カナザワ的には、キャシディ自身に対して強い思い入れがあるワケではないが、小学生の時に『パートリッジ・ファミリー』をTVで観ていたのだから、実は洋楽に目覚めるキッカケだったビートルズよりも先に、キャシディの歌を聴いていたことになる。

彼は基本的にポップスの人だけれど、70年代中期のアルバムはビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストン制作だし、アルバムにはカール・ウィルソン、アメリカのジェリー・ベックリー&デューイ・バネル、リッチー・フューレイらが参加。ビーチ・ボーイズのカヴァー、無名時代のマイケル・マクドナルド、そしてネッド・ドヒニーの楽曲も歌っていた。山下達郎でお馴染み、モダン・フォーク・カルテット(MFQ)の<This Could Be The Night>もやってたな。

一般的に評価が高いのは、全英No.1ヒット<Daydreamer>を含む73年の3rdソロ『DREAMS ARE NUTHIN' MORE THAN WISHES...(夢のつぶやき)』。これは邦題通りに儚さの詰まった淡いアルバムで、英国的小曲が集まった好作だった。でもココでは敢えて、時代が下がって若干ソフィスティケーションが高まった76年のオリジナル6作目『GETTIN' IT IN THE STREET(恋の大通り)』をチョイス。当時はUSリリースを見送られ、日独のみで発売された曰くつきの一枚だ。

プロデュースはキャシディ自身とジェリー・ベックリー。楽曲提供にはジェリーはもちろん、ブライアン・ウィルソン御大も加わる。中にはミック・ロンソンがギターを弾く曲もあってチョッとビックリ。その他、タートルズが小ヒットさせたニルソン楽曲、デヴィッド・フォスターが在籍したスカイラークのマイナー・ヒット<I'll have To Go Away>(ケリー・チェイター&レニー・アーマンド作)なども収められた。AOR好きには、本作で重要な役割を担ったジェイ・グルスカとキャシディが共作した<I Never Saw You Coming>も気になるところ。でも一番のデキは、彼ら3人のコーラスが切なさを煽る<Living A Lie>かな。

仮に制作がもう1年遅く、レオ・セイヤーやエリック・カルメンのようにボズ・スキャッグス『SILK DEGREES』以降を睨んだアルバムを作っていれば、キャシディの将来もまた違ったモノになっていたかも。だが本作がお蔵入りしたUSでは、英国とは違って、結局90年までの約15年間、アルバムは出せなかった。

Rest in Peace...