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お付き合いはまだそんなに長くないのに、最近何かと交流のある伊藤銀次さん。佐野元春、杉真理、EPO、高野寛がゲスト出演した10月20日のライヴ『45th Anniversary 〜 45年目のウキウキミュージック』@ Billboard Live Tokyo(レポートはこちら)にお呼ばれし、先月23日はタワーレコード渋谷5Fのパイドパイパーハウスで行われた銀次さんと長門芳郎さんのトークショウ+ミニ・ライヴにもお邪魔して…。しかも通常のインストア・ライヴは2〜3曲程度でお茶を濁すものなのに、銀次さんはアコギ+カラオケでたっぷり40分。オマケにアンコール付き。まったくサービス精神旺盛な銀次さんらしいわぁ〜。
…ってワケで、まだネタにできてなかった10月発売のニュー・アルバム『MAGIC TIME』のご紹介。ごまのはえ でのデビューから45年。『DEADLY DRIVE』でのソロ・デビューから40年。そしてオリジナル・アルバムとしては『LOVE PARADE』から実に24年ぶり。一応その間にココナツ・バンクのリリースがあったり、弾き語りのワンマン・ライヴ・ツアーを生録した自主制作ライヴ『I STAND ALONE』シリーズが数枚か、あるけれど。

銀次さんが自分のブログで、「ドカンとポップス直球。渾身の45年目のウキウキミュージック」と書かれていたけれど、まさにそのまんまの、聴いて楽しくなる好盤。決して歌の上手さで聴かせる人じゃないし、声だって時々ヨレちゃったりする。でも「だから どーした?」って聞き返しちゃうような、ハジけたポップ・アルバムなのダ。音楽の魅力、歌の勘どころをシッカリ掴んで離さないから、キチンと成り立つ。そうした意味で銀次さんは、まず第一にソングライターであり、それを冷静に俯瞰できるアレンジャー/プロデューサーでもあるのだな。

収録曲は全13曲。大滝詠一<青空のように>、村田和人の近作を初のフル・ファルセットで歌った<堕落の夏>といったトリビュート・ソング、杉真理との共作<恋をもう一度>以外は、基本的に銀次作曲。<2017年にBaby Blue>と<涙が止まらない>は、前者のタイトル通り、名盤『BABY BLUE』の5曲に歌詞を付けた売野雅勇との久しぶりのコラボレイト。当時売野はまだ売れっ子になる前で、今回のアニヴァーサリー・アルバムを作ることになった時、銀次さんの中で真っ先にこの曲のアイディアが浮かんだという。また<星降る夜に>の作詞は太田裕美。<虹>は脳性麻痺のため寝たきりの女流詩人:平田喜久代さんの作品に曲をつけたことで、話題になっている。

ビートルズ、リヴァプール、マージー・ビート、ELO、ジェフ・リン、ジョージ・ハリスン、バーズ、大滝詠一、ナイアガラ…。曲が変わる度にいろいろなキーワードが浮かんでは消えていくけど、それがすべて “伊藤銀次” というパイプで一本に繋がる。軽く聴き流すとポップな楽曲が耳に残るが、後でジワッと効いてくるのが、アルバム中盤のミディアム〜スロウ群。こうした楽曲が書けるから、メロディメイカーと言うんだな。そして同時に、まるで60's〜70'sそのものの銀次サウンドが、40〜50年を経て未だリアリティを以って飛び込んでくる。そう、懐メロなんかじゃない、まさに時間を超越する『MAGIC TIME』。還暦過ぎのいいヲヤジである銀次さんなのに、ソロだったり、杉さんと一緒だったりとパターンはいろいろながら、現在もギター片手に全国津々浦々を飛び回って歌っている。そのフットワークの軽さは、きっと20代の若い人だって敵わないよ。

そうそう、オンラインのソニー・ミュージック・ショップ限定で、当人監修による4枚組CD-BOX『POP FILE 1972-2017』も発売スタート。中身は、45年間の全シングル曲集+作詞・作曲・編曲・プロデュース・演奏曲からの代表曲2枚+初出音源集の計4枚。自分もゲットしたものの、バッタバタでまだ聴けてません…

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また今月24日には、初の自伝『MY LIFE, POP LIFE』も発売。これはもう、ノリノリですな

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