spats

昨年から断続的にリイシューされているマイアミはTKレコードのアイテム。これまでにもアチコチのメーカーがTKの再発を手掛けてきたが、今回のシリーズは今まで何処も着手しなかった超弩級マイナー物まで一括リイシューしているのがスゴイ。そんな中、フリーソウル方面でも話題になった涼風ブルー・アイド・ソウルの好盤、スパッツのワン&オンリー作が、ちょうど10年ぶりに復刻されている。

TKというと、傘下に数多くの某系レーベルを乱立させたレコード会社として有名だが、このスパッツを出したのは、マイアミの著名スタジオ:クライテリアが運営していたグッド・サウンズ。ホンの僅かなカタログしか出していないようで、スパッツはこの78年作1枚しか残っていない。

5人のメンバーによく知る名前はなく、どうもフロリダ一帯のクラブ・スポットでブイブイ言わせいたライヴ・バンドなのではないだろうか。でもアルバムは意外にマイルドで、程よく熱気を孕んだアーバン・メロウ。トロピカルなカクテルでも傾けながら、隣に侍ったキレイ処の耳元に愛を囁き、フロアに連れ出して一緒に腰をクネらせるには、格好のアイテムである。ホンノリとローカルで都会的に洗練されすぎず、歌声が少々男臭かったり、ギター・カッティングがロック乗りだったりするのが、彼らの魅力かな? ムサいR&Bフィーリングと、妙にブリージンなハーモニーの絶妙なコントラストも、マイアミ産ならでは、だろう。

前回の07年盤のライナーはカナザワが書いたが(最新盤は別の方です)が、当時は不明だったメンバーの足跡も、今なら少し分かる。ドラムのマイク・ザックはニルス・ロフグレンのバンド・メンバー。ベースのジョニー・キャッスルはブルース・ロック方面に進み、近年はザ・ナイトホークスに参加している。そしてヴォーカルのマイケル・ブラッドリーは、米人気アニメ『ロボテック』の主人公の歌の吹き替えを担当。80年代前半はポール・リヴィア&ザ・レイダーズに参加した時期もあった。ジャーメイン・ジャクソンとピア・ザドラがデュエットした映画主題歌<When the Rain Begins to Fall>(85年/全米56位)も彼の作品。近年は自身のレーベルから何枚かCDを出しているらしい。

スペシャル・サンクスには、シカゴのウォルター・パラザイダー、ダニー・セラフィン、ジェイムス・パンコウの名が。彼らの78年作『HOT STREETS』はクライテリア録音なので、何か接点があったのかもしれない。またパーカッションで参加しているFlaco(Nelson Padron)は、もしかすると、かのジャコ・パストリアスの可能性アリ。何故なら彼は、同じTK系の重鎮ギタリストであるリトル・ビーヴァー『PARTY DOWN』(74年)に、Nelson “Jocko” Padron の名前で参加していたからだ。果たして真相は如何に?

このポストで「初めてスパッツを知った」という方も少なからずいらっしゃると思うが、アナログは結構レアで、見つかってもそれなりの高値。でもCDなら、現時点ではカナザア解説の07年盤もamazonに在庫があるようだ(高いけど…