kanzaki
ある筋からのお誘いで、渋谷での某ミーティングを終え、その足で神崎ひさあき(sax)バンド@目黒ブルースアレイ。50歳代以上のフュージョン好きなら、“オォ、神崎オン・ザ・ロード!” なんて声も掛かるかな? 80年にデビューして3作を残し、86年に渡米。西海岸で武者修行に励み、確固たる人脈を構築。88年にはまだ無名のラス・フリーマン&リッピントンズと組み、デヴィッド・ベノワやデヴィッド・ガーフィールド、フィル・ペリーらをゲストに『KANZAKI』を発表した。元カラパナのマイケル・パウロとも親しく、共同プロジェクト"The Asian Soul Brothers"でも活動。そんなワールドワイドに活動を続ける神崎の、久々となる本格的ソロ・ライヴである。

メンバーはベテランではなく、中堅/若手のイキの良いプレイヤーたち。アルトとカーヴド・ソプラノを手にした神崎は、小気味良いソウルフルなブロウで客席を沸かす。時にコテコテの土佐弁で話すMCは、結構やんちゃで遠慮がなく、鍵盤の人が代わりに喋ったりしたが、その明け透けの人懐っこさが面白い。きっと生粋の大阪人がシスコあたりでブイブイ言わせてオッサンになったら、こんな人になるんだろうな、という、そのまんまのイメージの人だ(神崎自信は四国出身)。

故にステージもエンターテイメント性が高く、何度も客席を練り歩いては知り合いの顔を見つけ、サックスを吹き付けてイジリ倒す。もうベテランの領域に入った人だから、少しは落ち着いたブロウを披露するのかと思いきや、オモロイことはドンドンやっていきたい、というサービス精神旺盛なタイプ。それがパフォーマンスから溢れ出ていた。

オープニングから、TOTO<Georgy Porgy>、グローヴァー・ワアシントンJr.<Mr. Magic>という、カナザワのツボの選曲。続いてプレイされた<So Far Away>は、メイズのドラマー:マイケル・ホワイトのリーダー作に提供した楽曲で、米ラジオ&レコーズ誌のジャズ・チャートでトップ10入りした。更にマーヴィン・ゲイ<What's Goin' On>とアイズレー・ブラザーズ<Between The Sheets>で、甘美なエモーションを。

2nd Setはオリジナル中心だったようだが、クリスマス・ソングなど交え、とにかく盛り上げ上手。基本的にスムーズ・ジャズ・スタイルなので、気取って演られると眠くなってしまうが、そこはサスガに本場仕込み。和製フュージョン・バンドのそれみたいに、型にハマったところは微塵もない。インスト奏者といえども、看板を背負って立つ以上、エンターテメント性は忘れない!ということなのだろう。本当のプロフェッショナルなライヴ・パフォーマンスであった。

近々、ニュー・アルバムの制作を目論んでいるらしいので、それも楽しみにしたい。