kadomatsu 2017end
角松敏生のライヴ “Close out 2017 & Ring in The New Season” @中野サンプラザ 2days の2日目に参戦した。すっかり年末恒例イベントとして定着したこのライヴは、角松の今年1年間を振り返る内容。特に今年は、音霊、軽井沢のTriPod、大阪のアロー・ジャズなどに加え、インスト・ツアーに下北沢でのクラブ公演、ビルボード・ライヴでのギター・フィーチュアー・ライヴ、福岡でのゴスペル共演等など、例年にも増して盛り沢山の一年だった。したがってこの集大成ライヴも、さぞ長丁場のショウになるだろう。だからこそ土曜公演の今日は開演時間が16:30と早いんだな…、と思っていた。

(以下ネタバレあり、神戸公演へ行かれる方は要注意)

オープニングは、最近時々登場する<YOKOHAMA Twilight Time>のややゆる・ヴァージョンで、まずは小手調べ。手にするのはチェリー・レッドのレス・ポール。後方にはゴールド・トップのレス・ポール、そしてシグネイチャー・モデルのストラトキャスターが並んでいる。続いて下北で披露した初期楽曲をファンキー&メロウに続けて。ここでこの日初めてのロングMCが入り、インスト・ツアーの終盤で手術のためリタイアした小林信吾(kyd)の復活が告げられた。そして友成好宏とのピアノ・デュオで、MaoChica 楽曲を披露。続いて角松が入り、『THE PAST & THEN』の<氷の妖精>が歌われる。さすがに少し痩せた信吾さんだが、流麗なピアノ・プレイは健在で、ホッと胸を撫で下ろし…。そのまま森俊之が入って、今年は鍵盤2人とこなした軽井沢でのTripod公演縮小版を正規3人と一緒に。これは信吾さんの闘病を知るファンには、なかなかウルッとくる光景だったろう。何せ角松バンドは早世率が異常に高いのだから…。

バンドが戻っての初っ端は、『INCANATIO』や『SUMMER 4 RHYTHM』の創作の源となった新曲のみの伝説的クラブ公演(01年3月@六本木Sweet Basil)で歌われながら、未だ未発表の<かくれんぼ>。先日のビルボード公演で演ったところ好評だったので、急遽セットリストに入れたそうだ(2日目のみ)。続いて前日はモア・アンコールで登場したらしいバラード<See You Again>がココに。この辺りがいわゆる日替わりメニューだった。

そして例によってゴスペル・クワイアを迎えての<Get Back To The Love>を挟んでは、今年のハイライトとなった『SEA IS A LADY 2017』から、<Sea Line>と<Mid Summer Drivin’>の2曲。更に下北クラブ公演を思い出させる3曲<Airport Lady>〜<SHIBUYA>〜<浜辺の歌>を立て続けにプレイし、本編終了。えっー、ウソ〜。いつも3時間超えの長尺ステージをこなすのに、今日はまだスタートから2時間だぜィ

でもアンコールで、その理由や早い時間帯でのオープニングの理由が、ひとつ明らかになった。おもむろに4人のガールズ・ダンサーが登場し、場を盛り上げたのだ。曲はもちろん<WAになっておどろう>。かつて「もうやらない」と発言しつつ、その後もライヴ定番に居座り続ける曲なので、こうした免罪符的仕掛けが欲しいのかも知れない。聞けば彼女たちは中学生。未成年なので、20時までしか出演できない。開演時間が15:30ではなく16:30と異常に早いのは、もしかしてこのためだったか。ガールズはそのまま<Sky High>でもクワイアと一緒になってコーラスに参加し、おバカな大人たちの狂乱に参加していた。

そしてココのMCで、来年はTOKYO ENSEMBLE LABを復活させつつ、ビッグ・バンドのリメイクに取り組んでツアーにも出ると発表。う〜ん、コレは正直 微妙だなぁ、カナザワ的には。イヤね、ビッグ・バンド企画が悪いワケじゃない。角松がやるからには、当然ハイ・クオリティの作品になるであろうことも期待できる。まして今度の仕切りは、完璧主義者の本田雅人(sax)だというではないか

でもネ、解凍以降の角松は、オリジナル新作と企画性の強い新録アルバムを交互に出すのが、半ば基本パターン化していたはず(例外アリ)…。それが今回は、14年発表『THE MOMENT』を最後に、『SEA BREEZE 2017』、『SEA IS A LADY 2017』、そして次作と、企画アルバムが3作続くことになる。あれだけオリジナル新作や新しい挑戦にこだわってきた彼が、5年もオリジナル新作から遠ざかるのは、ハッキリ言って尋常ではない。そもそもインスト・リメイクに走った時に、オリジナル新作へ向かうだけのモチベーションが上がってこない、と語っていたワケで、創作意欲やアイディアはあれども、それが形にならないと言っていた。それがまだ続いているなら、これはちょっと由々しき事態。角松なら何でもOK、という盲目的ファンと一緒になって、「わ〜い、次はブラスだぁ〜」と素直に喜ぶ気にはなれないのだ。

ダンス・ミュージック流行りの昨今、当然のこと角松にそれを期待する声も少なくないし、だからといって安易に乗ってしまわないのも理解できる。でも彼だからこそ、今しか演れないダンス・アプローチだってあるはずだ。『SEA IS A LADY 2017』が成功したからこそのTOKYO ENSEMBLE LABなのだろうが、例えば『BEFORE THE DAYLIGHT』がそうだったように、外部プロデューサーを立てて外からアイディアを引き出してもらう方法だってある。ただ今だと、バジェット的にキビシイのかしらね…? 早い話、様々なライヴで忙しすぎる環境や制作サイクルから抜け出して時間を捻出しないと、考えがまとまらないと思うんだけど…。って余計なお世話か… ま、外野が何を言ってもスルーされるので、ココは黙ってお手並み拝見、をキメ込むしかないか…。

…とまぁ、瞬時にいろいろなコトに考えを巡らせてしまったが、ステージ上では信吾さんのピアノ一本をバックに、名バラード<花瓶>が歌われ…。これ、間違いなくこの日のハイライト。アチコチからすすり泣く様子が窺えたほど、相当に感動的な時間になった。

終わってみれば、トータル2時間半。角松にしては約1時間短いパフォーマンスだった。これは意図的か、あるいはリハーサルの時間不足の結果なのか…? いずれにせよ、中身が薄くなったとはまったく感じず、いつもながらの充実したショウだったと思う。とにかく、ライヴ三昧の一年、本当にご苦労様でした。

ちなみ神戸のセットでは、大幅な変更があるようです。


1. YOKOHAMA Twilight Time
2. Take It Away
3. I’ll Never Let You Go
4. P.C.H.(MaoCica)
5. 氷の妖精
6. You’re My Only Shinin’ Star
7. Izumo
8. かくれんぼ(未発表曲)
9. See You Again
10. Get Back To The Love
11. Sea Line
12. Mid Summer Drivin’
13. Airport Lady
14. SHIBUYA
15. 浜辺の歌
-- Encore --
16. Ile Aiye 〜 WAになっておどろう
17. Take You To The Sky High
-- More Encore --
18. 花瓶