mindfields

間もなく日本リリースされるイタリアからのニュー・カマー、マインドフィールズのデビュー・アルバムをご紹介。グループ名からピ〜ンと来た方も多いだろう、彼らはTOTOをアイドルとする4人組。元々はDejaniraというモロにTOTOのカヴァー・バンドだったそうだが、徐々にオリジナル楽曲が増えてきたことから、カヴァーとは別働のバンドを新たに結成。この時、TOTOの99年のアルバム『MINDFILEDS』からグループ名を拝借したという(FIELDS → FEELS)。

名前からも察せられるように、彼らが愛でるのは、TOTOはTOTOでも後期のTOTO。メンバーたちがフェイヴァリットに挙げるのは、『KING OF DESIRE』や『TAMBU』で、日本で人気の初期4作ではない。従って小気味良くハネるようなシンコペーション・リフレインより、ハード&エッジィなメロディック・ロック的アンサンブルが前面に居座る。でもそこはやはり、TOTOフリーク。彼らの柔軟な指向性はシッカリと受け継いでいて、マイルス・デイヴィスからジェイムス・ブラウン、超雑食のフランク・ザッパなどにも敬愛の情を示している。それこそTOTO最新作『TOTO XIV〜聖剣の絆』や、CWF(チャンプリン・ウィリアムス・フリーステット)のアルバムに入っていても違和感のなさそうな楽曲が少なくない。

一方で、スティーヴ・ルカサーの影響がストレートに表れたブルージーな<Hidden Treasures>、ジェネシスっぽいスタートからピンク・フロイドみたいに展開するプログレ調の<Speed>もアリ。アルバム・トータルとして、80年代後半以降のTOTOスタイルを継承しつつ、そこからプログレやハード・フュージョンを貪欲に取り込んでいくのがマインドフィールズの流儀といえる。オープナーの<Don't Leave Me Behind>は、マインドフィールズが目指すサウンドを端的に表したベスト・トラックだ。

かくして、TOTOの良き後継たり得る次世代グループ、マインドフィールズ。全盛期のTOTOほどにはポピュラリティを持ち得ないが、欧州産メロディック・ロック勢よりは遥かに広範なバックボーンを感じるし、ターゲットも広そう。解説を書いたので言うわけじゃないが、是非とも大きく育って欲しいグループである。