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クリスマス・イヴ・イヴ でもクリスマスってなんですか 世間はメチャ浮かれてますが、カナザワは普通に仕事です ってか めちゃ締め切り立て込んできてるし、更に締メ日を勘違いしてるし、雑用は多くなってきてるし… ま、ココではひとまずこの “サウンド・デザインAOR3部作” とでもいうべき日本制作の好盤を順次ご紹介して。仕様はもちろん最新デジタル・リマスターで高音質盤UHQ-CDを採用。その最初は、ニール・セダカの愛娘デラ・セダカが、82年にデヴィッド・フォスターのプロデュースで発表した初アルバム『I'M YOUR GIRLFRIEND(ガールフレンド)』。04年の初CD化以来13年ぶりの復刻で、僭越ながら監修させて戴きました。

デラはニューヨークのブルックリン生まれ。78年にレコード・デビューし、モータウン・クラシック<My Guy>のカヴァー・シングルをRSOレコードから出した。当時14歳の彼女にデビューを勧めたのは、実はフォスター。当然このシングルもプロデュースしていて(父ニールが共同制作)、フォスター、ジェイ・グレイドン、レイ・パーカーJr、デヴィッド・ハンゲイト、ジェフ・ポーカロに囲まれたお下げ髪のスナップが残されている。このアルバム発表時は18歳で、ご覧のようにアイドルさながら 当時のLPにも8ぺージの豪華写真集が封入されていた。今回はそれもシッカリ復刻している(カナザワの趣味ではありません

もうひとつの本作のポイントが、松本零士原作の人気アニメ『1000年女王』の映画主題歌<Angel Queen(星空のエンジェル・クイーン)>の収録である。作曲は喜多郎で、自身もシンセサイザーで参加。この曲はチャートのトップ10入り目前まで上昇し、洋楽チャートでは2週連続1位を記録。デラもアルバム発売に先駆けてプロモーション来日し、喜多郎やリチャード・ペイジ&スティーヴ・ジョージ(cho)を従えて、TVの歌番組に出演したそうだ。

フォスターの軽快なピアノに乗って、スティーヴ・ルカサー/マイケル・ランドウのソリッドなギターが快走するスターター<Huggin’>。ニコレッタ・ラーソンやマリーン with シーウインドも歌っていた<Just Say I Love You>は、カルチャー・クラブ<Karma Chameleon>を書いたフィル・ピケット(元セイラー)の作品。ハーフ・ビターなバラード<Keep Me In Love With You>は、元エドガー・ウインター・グループの故ダン・ハートマンが書いている。ダンは父ニールのアルバムもプロデュースしていて、そこでは父娘デュエットもあった。その父娘の共作曲が<Goodbye>。96年に突如出たデラの2作目に当たるジャズ・スタンダード集『WHAT’S NEW』に、この曲のセルフ・カヴァーが入っていた時は超ビックリ。

タイトル曲<I’m Your Girl Friend>を書いたクリフ・ニュートンは、アヴリル・ラヴィーン成功の立役者のひとりで、ケリー・クラークソンやクレイ・エイケンなども手掛けたヒット・プロデューサー:クリフ・マグネスその人。AOR的にはジェイ・グレイドンが組んだプラネット3の一角、と云うのがふさわしいか。そして<Try To See It My Way>は、ブライアン・アダムスのデビュー盤(80年)からのカヴァーで、ブライアン自身がコーラスで参加。当時はまだブレイク前だったが、この辺りはフォスター独自のカナダ人コネクションだろう。

演奏陣にはスティーヴ・ポーカロやマイク・ベアード(ds)も。グレイドンは不参加ながら、彼のスタジオ;ガーデン・レイクで録音している。日本制作とはいえフォスターのプロデュースが功を奏したか、単なるアイドル物に止まらぬクオリティを有しているのが特徴だ。何よりフォスター自身に、まだ “バラード専門のヒット・メイカー” というイメージが薄く、ロック・チューンも含めたトータル・プロダクツになっている。この時代のフォスターをオン・タイムで知るAORファンには、そこが嬉しいのだ。