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昨日に続き、越年直前の書き残しを紹介。これは、8月上旬/下旬の2回に分けてリリースしてご好評を頂いた【AOR CITY 2017】後期にラインナップに入っていたアイテムで、80〜81年に上掲2作を出したカナディアン・ロック・バンド、ストレート・ラインズ。自分が監修しているシリーズなのに、4ヶ月遅れのご紹介でスミマセン…。

 陶酔、タッチ・オブ・ロマンス
  ワイン・レッドの夜に、熱きステディ・ビートが時を刻む。
 ナイト・ライフは赤いハイヒールの甘い誘惑


まるで何処かの国内盤帯マニアの餌食になりそうな(いや、もうなってる?)キャッチコピーが掲げられたデビュー・アルバムは、ズバリ『カナディアン・ロマンス』なる邦題(原題:STRAIGHT LINES)で日本発売。盛り上がり始めたAORのブームに絡ませ、結構チカラの入った売り出し方を為されていたように思う。思わず舌を這わせたくなる美脚に、踏んづけられてもイイや…などと妄想してしまう真っ赤なハイヒールのジャケは、途轍もなくエロティック。その音は、当時 “ロマンティック・ハードネス” と呼ばれたポップ・ロック・スタイルで、AORと産業ロックの中間を行くスタイルが持ち味だった。実際彼らは、カナダはヴァンクーヴァーのスタジオ・ミュージシャンが集まって誕生した5人組で、案の定、TOTOと比較されて。路線的には、TOTOのデビュー作からファンク要素を抜いてポップ&コンパクトにした、といえば分かりやすいだろうか?

それに続いた81年の2ndは、今回が日本初登場。世界的にも初CD化になる。ぶっちゃけ自分は、コレを日本のAORファンに聴かせたくて、このシリーズにネジ込んだのだ。当時日本発売がスルーされた、ということは、1作目のセールスなど推して知るべしだが、輸入盤の流通量も少なかったようで、自分もこの2作目の存在は90年代まで知らなかった。

ところが実際に聴いてみると、AOR度は1stの3〜5割増。メンバーが一人減ったから、というワケじゃないだろうが、音の方も軽量化が図られ、過剰なアレンジを見事に断捨離している。スタジオ集団だから当然演奏スキルと音楽ロジックに長けているだろうに、シッカリとツボをわきまえ、不用意に熱くなることがない。なので自分の周囲では、比較的知られた1stよりも、むしろレアな2ndの方が人気が高い。カナディアン・チャートでトップ10入りした楽曲もあり、同年のカナディアン・グラミーことジュノー賞の新人部門にノミネートされたものの、何とラヴァーボーイにその座をさらわれた。

結局グループは、期待したほどのセールスが残せず、レーベルが興味を失ったことで解散。でも主要メンバー2人は諦めず、新たな4人組ボディ・エレクトリックで3作品を出したあと、 今現在もセッション・ワークを続けている。Kyd/Saxのボブ・バックリーがマイケル・ブーブレやセリーヌ・ディオン、ブライアン・アダムス、エアロスミスや数多の映画音楽を担当、そしてgのデヴィッド・シンクレアがサラ・マクラクランのサポートというから、その実力は確かだ。