wilbert longmire

年明け4日目にして、もう2本目の訃報。個人的に愛してやまない黒人ジャズ・ギタリスト、ウィルバート・ロングマイヤーが、故郷オハイオ州シンシナティで亡くなった。シンガーのペニー・フォードがfacebookでそれを伝え、同郷のギタリスト:シェルドン・レイノルズ(Ex-Earth Wind & Fire)やジェイムス・ギャドソン、イヴリン・シャンペーン・キングらがコメントを寄せている。享年83歳。

知る人ぞ知る名ギタリストのロングマイヤーは、70年代終盤のフュージョン・シーン華やぎし頃に活躍した、ウェス・モンゴメリーやジョージ・ベンソン・タイプの名手だ。初リーダー作は69年と早いが、そこそこ知られるようになったのは、ボブ・ジェームスのレーベル:タッパン・ジーから3枚のアルバムを出した頃。特に目玉焼きジャケが印象的な、タッパン・ジーからの再デビュー作『SUNNY SIDE UP』(78年)が、よく知られるところだろう。

実はロングマイヤーとボブを繋げたのが、ジョージ・ベンソンその人だった。ロングマイヤーは16歳頃から地元ヴォーカル・グループのバックを務めていたが、その後モータウン・レビューを経て、63年頃にオルガン奏者ハンク・マーのバンドに入った。そのマーのバンドが出演するクラブに同時期に出ていたのがジャック・マクダフ。そのマクダフのお抱えギタリストがベンソンだった。2人は意気投合したが、それぞれのバンドには長居せず、ロングマイヤーがベンソン離脱後のマクダフ・グループでプレイした時期もあったらしい。

その後ジャン・リュック・ポンティやラスティ・ブライアントなどをサポートしたロングマイヤー。でももっと自分らしいギターを弾きたい、と一旦前線から身を退き、地元へ戻って思案と模索の日々。意を決して旧友ベンソンにコンタクトを取ったことから、新たな道が開けた。タッパン・ジー発の3作、すなわち前述した『SUNNY SIDE UP』、上掲2in1CDの79年作『CHAMPAGNE』と80年作『WITH ALL MY LOVE』、どれも内容に遜色はなく、バックのメンバーもボブ・ジェームス(kyd)を筆頭に、エリック・ゲイル/コーネル・デュプリー/スティーヴ・カーン(g) リチャード・ティー(kyd)、バディ・ウィリアムス/ハーヴィー・メイスン/アイドリス・ムハマッド(ds)、ブレッカー・ブラザーズ(horns)、デヴィッド・サンボーン(sax)、パティ・オースティン(cho)らが入れ替わり立ち替わり。『WITH ALL MY LOVE』ではロングマイヤー自身も歌っている。

地元クラブで好きなようにギターを弾くことを選んだ人なので、知名度は低いが、各アルバムはジャズ・チャートでトップ10入りを窺うほどの好セールスを上げたようだ。11年に上掲2in1が出た際にブックレットにコメントを寄せていたが、タッパン・ジー後の表立った作品はなく、最近も音沙汰は途絶えたままだった。だから余計に、この3枚に愛着が湧いてしまうのだろう。それはきっとこれからも…。

Rest In Peace...