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2007年12月に前立腺ガンで亡くなったダン・フォーゲルバーグ。出身地であるイリノイ州では、彼の誕生日を “ダン・フォーゲルバーグ・デイ” に制定するほどの大物なのに、何の追悼盤も出ないなぁ…と思っていたら、没後10年の去年になって充実の関連作が連発。イーグルスのマネージャーとして知られる敏腕アーヴィング・エイゾフも、元々はダンと知り合って、彼を世に出そうと思い立ったのが業界に足を踏み入れるキッカケだった。

発売順に紹介すると、2枚組『LIVE AT CARNEGIE HALL』は、79年のソロ・アコースティック・ツアーから、4月のカーネギー・ホール公演を収めたライヴ盤。ピアノ&ギターの弾き語りで歌われる20数曲から、ナイーヴながらも力強いダンの真骨頂を披露している。ダン自身はこのライヴを世に出すつもりはなかったらしいが、奥様ジーンとエイゾフが協力して、今回のリリースが実現したそうだ。

そして、ゲストがいっぱいの『A TRIBUTE TO DAN FORGELBERG』は、約7年の制作期間を経て作られた労作。プロデュースはやはり奥様ジーンとエイゾフ、ダンの初期作を手がけたノーバート・プットナムらである。参加メンバーはマジ豪華で、その一人一人が、自分の思い入れがあるダンの曲をチョイス。日本では伝わりにくいダンのUSでの人気、影響力の大きさがハッキリ分かる作品になっている。

参加アーティストと収録曲は、以下の通り。

1. Phoenix / Garth Brooks
2. Nether Lands / Donna Summer
3. Better Change / Michael McDonald
4. Longer / Amy Grant & Vince Gill
5. Same Old Lang Syne / TRAIN
6. Don't Lose Heart / Toby Grey
7. Old Tennessee / Fool's Gold
8. As The Raven Flies / Casey James
9. Sutter's Mill / Randy Owen
10. Run For The Roses / The Nitty Gritty Dirt Band with Richie Furay
11. Hard To Say / Boz Scaggs
12 .Part Of The Plan / Eagles
13. There's A Place In The World For A Gambler / Jimmy Buffet
14. Leader Of The Band/ Zac Brown

<Phoenix>でオープニングを飾ったガース・ブルックスは、このトリビュート参加候補に最初にリストアップされた。ドナ・サマーの参加に「アレッ!?」と思う人も多いと思うが、ドナやドビー・グレイはこの企画に参加した後、ダンの後を追うように鬼籍に入ってしまった。マイケル・マクドナルドは2nd『SOUVENIR』から、ちょっと地味な<Better Change>をパワフルに。オマケにドビーのバックでコーラスをとったり、ピアノを弾いている。<Lionger>はエイミー・グラントとヴィンス・ギルの夫婦デュオ、<Run For The Roses>はニッティ・グリッティ・ダート・バンドとリッチー・フューレイの共演で。ボズの<Hard To Say>は、最近の作風に通じるブルージーな渋い仕上がり。

そしてハイライトが、イーグルスの参加だろう。ジョー・ウォルシュ主導で、グレン・フライ死後のレコーディングだったようだが、新メンバーのディーコン・フライ、ヴィンス・ギルはまだ不参加だ。日本では不人気のジミー・バフェット、グラミー受賞のザック・ブラウンがハートフルなライヴ・テイクがアルバムのラスト2曲を占めるのが、如何にもアメリカ的である。

AORファンには、トム・ケリーとデニー・ヘンソンが顔を合わせ、フールズ・ゴールドを復活させているのを見逃さずに。元々フールズ・ゴールドはダンのバック・バンドとして結成され、ダンやグレン・フライ、ジョー・ウォルシュらのバックアップでデビューしたのだから、ダンのトリビュートには不可欠の存在だ。また80年代のダンをサポートしていた(ジム)フォトグロも、バック・ミュージシャンとして参加。他にもウィーリー・ウィークス(b)、ボズのバックでデヴィッド・ハンゲイト、それに元ジョー・シャーメイ・バンドの面々(ジョーとポール・レイム、ジョン・ホッブスら)が3人も揃っているのに、思わずニンマリ。

2作品とも国内盤は出ないようだが、これを機にダンの魅力を再認識して戴けたら、天国のダンも少しは浮かばれるかな?