one step fes boxdylan
今日も午前中からスタジオ入り。比較的早い時間に帰宅できたものの、雑事が溜まっていて書きモノに着手できず。明日は急逝した叔父の葬式で、朝から夕方まで潰れてしまうし…。

そこで今日も、74年に福島県郡山市で開催されたONE STEP FESTIVAL完全版〜21枚組ボックスからピックアップ。とはいえコレで4日目なので、一旦最後にしましょうかね。まだ半分も聴けてないけど、残りは気が向いた時に随時取り上げる、というコトで…。

そこで今回は、ワン・ステップ出演陣の中でも、アチコチにシティ・ポップの萌芽が見て取れるあたりを。はっぴいえんどは既に解散し、キャラメル・ママへ進化していた頃だけど、彼らナシでもシーンは確実に動き始めていた。その象徴が、まだデビュー前だったシュガー・ベイブ。残念ながらこのBOXへの収録はないけれど、ロック畑のスタッフがこのフェスで初めてシュガー・ベイブを聴き、「新しい音を出す連中が出てきたな」と実感したという旨の証言が残されている。

他にも、はちみつぱいやセンチメンタル・シティ・ロマンスなどがその系統だが、むしろロック系やフォーク寄りアーティストのバック・バンドに興味深い名が潜んでいたりする。例えば、神無月のベースは湯川トーベン、トランザムのベースは後藤次利、札幌から来たブラス・ロック・バンド:ソウルパワーにはアマチュア時代に交流のあった大橋純子がゲスト参加していた。またミッキー吉野グループは、バークリー留学から帰国した彼が新バンド結成を目論んでメンバーを探している頃で、ドラム/ヴォーカルにアイ高野が参加。10分超の曲に挑むなど、意外にジャズ・ファンクな演奏を披露している。

そこで要チェックが、4日目の9日に出演したオリジナル・ザ・ディランと、同日のトリを務めた かまやつひろし&オレンジ。オリジナル・ザ・ディランは、大阪のフォーク喫茶ディランのスタッフらを母体に組まれたトリオで、西岡恭蔵と大塚まさじ、永井洋がメンバー。が、アルバム録音後は西岡が離れ、ザ・ディラン II(セカンド)に移行。ONE STEP出演はその移行期にあたり、大塚と永井のデュオ+バック・バンドになっていた。ところがこのバックが、いわゆる THIS(石田長生、佐藤博、田中章弘、林敏明)。当然ながら普通のフォークからは逸脱した演奏が垣間見えて、実に面白い。そしてこの4人のうち佐藤、田中、林が鈴木茂に誘われ、ハックルバックを結成。石田は、やはりこのフェスにウエストロード・ブルース・バンドで出演していた山岸潤史らと、大型ファンク・バンド:ソー・バッド・レビューを結成することになる。

かまやつひろしは<バンバンバン>や<どうにかなるさ>といったお馴染みの楽曲を含みつつの、ロック・ショウ的展開。上掲ジャケからも分かるように、純白のスーツ、マフラー姿でマイク・スタンドを振り回し、ロッド・スチュワート張りのエンタテイメント・ショーを繰り広げたとされる。吉田拓郎と一緒に歌った<シンシア>がまだ新曲で、MCではまだ歌詞を覚えきれてない発言も。そしてバック・バンドのオレンジには、かの山本達彦(kyd)、ゴダイゴ:浅野孝已の弟で、デビュー時にドラマーを務めていた浅野良治が在籍している。

とにかく、まだロックを聴き始めて間もなかった中坊のカナザワが、「なんか郡山でスゴイことが起こっていたらしい」と活字づてにワクワクさせられたフェスの(ほぼ)全貌が、約44年ぶりに明らかにされた豪華ボックス。このCD21枚をジックリ聴くと、もっともっといろいろな発見がありそうだ。