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な〜んとビックリ CTAこと カリフォルニア・トランジット・オーソリティの初来日公演が決定した。もしCTAを知らずとも、名前でピ〜ンときた方も多いだろう 彼らはシカゴのオリジナル・ドラマーであるダニー・セラフィンが結成したユニットで、主にシカゴのヒット曲をレパートリーにしてライヴ活動を行なっている。しかも現在は、そこに同じく元メンバーのビル・チャンプリン(vo,kyd,g)、ドニー・デイカス(g)が合流。断続的ではあるが、言わば、“裏シカゴ” とでも呼びたくなる状況なのだ。

結成は06年。『シカゴ19』リリース後の90年に突然シカゴを馘首されたダニーは、そのショックの大きさから音楽業界に嫌気が差し、シーンから消えた。ドラムは趣味!と割り切って、気ままにバンド活動をしていたのである。それなのに、キース・エマーソン・バンドなどで活躍しソロ作も出しているマーク・ボニーラ(g)とジャムったり、チャリティでシカゴの曲をプレイするうち、長年封印してきた熱い想いがムクムクと蘇ってきた。それをキッカケに、タワー・オブ・パワーのリード・シンガーだったラリー・ブラッグスなど知り合いの実力派ミュージシャンを集め、新グループを旗上げ。シカゴのデビュー当時の名前を引用して、カリフォルニア・トランジット・オーソリティと名付けた。そしてシカゴの初期ナンバーをリメイクした初アルバム『FULL CIRCLE』を、自主制作でリリースした。

主にノスタルジア・サーキットでライヴを行なってきたCTAだが、そのうち「新しいモノを演りたい」とメンバーの気持ちが一致。オリジナル楽曲を中心にした2nd『SACRED GROUND』を13年に発表している。その時CTAに関わったのが、ビル・チャンプリンと息子ウィル・チャンプリン。ダニーに引導を渡す役を負ったビルもまた、追われるようにシカゴを離れていた。そう書くと、何だがCTAが脱退組の受け皿みたいに聞こえるが、看板が重過ぎて なかなか新基軸を打ち出せない御本家に対し、コチラはいとも簡単に素晴らしいアルバムを作った。それ故、これは是非国内でも紹介を!と思い、我が Light Mellow Searches から日本盤を出したのだ。これが3年前のこと。ピストル暴発事故で亡くなったテリー・キャスの後任:ドニー・デイカスがCTAに合流したのは、その後である。

今回の来日決定は突然で、カナザワのところに知らせが来たのは、一般告知の2〜3日前。もちろんアルバム発売直後から、Searchesの他のアーティストと共に来日公演実現を目指し、PーVINEを通じてライヴ・レストランにアプローチを始めている。しかもその中では、最も現実的で動員も見込めるとプッシュしていた。スケジュールの問題などですぐには実現しなかったが、結果的に現時点でも一番良い形になったと思っている。

 [公演予定]
4月17日/19日 ビルボードライブ東京
4月20日    ビルボードライブ大阪
Billboard Live のサイトへ


内容としては、ホーン隊も従えて初期〜中期のシカゴの名曲を演奏する予定とか。個人的には、2作目のオリジナル楽曲も少し交えて、グループとしての矜持を示して欲しいところだが、やはり盛り上がるのはお馴染みのシカゴ・ナンバーのはず。従来ファンはもちろん、AOR好きは万事お繰り合わせの上、是非とも足を運んで欲しいと思う。

でももしCTAに、つい最近脱退したジェイソン・シェフまで参加しちゃったりしたら、どちらが本家が分からなくなっちゃうな