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シティ・ポップ、盛り上がってますね。カナザワが絡んだだけでも、レコードコレクターズ誌は70/80年代と時代を分けて2号連続のメイン特集だし、 若い層をターゲットする別冊KADOKAWA DirecTの3月末売り号でも特集を組む。そうそう、現在は売り切れ状態のディスクガイド『Light Mellow 和モノ Special』(14年刊)も、初夏頃には更なる重版が掛かりそう。いま現在進行形の部分をどう反映させるか、関係筋とちょっと算段しています。

そんな中、確実に現行シティ・ポップ・シーンに影響を与えている佐橋佳幸(g)とDr.kyON(kyd)によるユニットが、この Darjeelin(ダージリン)。佐野元春& THE HOBO KING BANDだったり、あるいは小坂忠のサポートだったりと、もう20年以上に渡って断続的に一緒に活動してきた名コンビ。その2人が00年代半ば頃、深夜帯のTV番組で共演し始めたのを機に、このダージリンが誕生した。“紅茶の王様”、“紅茶の中の紅茶” と呼ばれるダージリンだから、その名前にあやかって、彼らの音楽のエキスを抽出させるこのユニットの名前としたのだろう。

しかも、GEAEG Records(ソミラミソ・レコーズ)なるレーベルを日本クラウン傘下に立ち上げてのスタート。オマケに、共にミニ・アルバム級ながら、1作目を昨年11月に、2作目を先月リリースするという畳み掛けの展開。リリース情報は掴んでいながら、発売日までキチンと把握してなかったカナザワは、2枚目が出る時点で同時購入となりました。

そんなイケイケの発売と思いきや、中の音楽はジックリ焙煎。東京と大阪の凸凹コンビだけに実に多彩な音楽素養を下敷きにしているが、ハートフルでマイペースなのは一貫していて、ガツガツとしたところがない。多分にルーツィーでワールド・ミュージック的素因があるのは、山弦にも通じるところ。「普段は街で暮らしてても、週末ぐらいは田舎で魚釣りでもしたいよねー。ちょっと悪さもしたいよなー」 そんな空気感が支配的だ。

ダージリンと謳うだけに、楽曲に見合ったゲストを迎えれば、芳醇なフレイヴァーのブレンド・ティーにもなる。1st『8芯二葉〜Winter Blend』のゲストは、高野寛、直枝政広、カルメン・マキ、元ちとせ。2nd『8芯二葉〜梅鶯Blend』では初ソロ作を出した元キンモクセイの伊藤俊吾、石橋凌、中村まり、デーモン閣下…と、もうよく分からん 

この2人だけに演奏陣も豪華で、高橋幸宏/屋敷豪太/島村英二/古田たかし(ds)、細野晴臣/小原礼/高桑圭(b)、三沢またろう(perc)等などの名が。けれど全然スクエアーな感じはなく、「何だか楽しそうだなー」と思わせて、手作りのヒューマン・ミュージックならでの魅力を丁寧にパッケージしている。GEAEGレーベルとしても、川村結花、高野寛のCDをリリースし、2人のキャラクターに通じる音楽純度の高いレーベルを目指していて。う〜ん、ジャンルやスタイル云々ではなく、ステキな大人の粋が入った作品たちです。