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 パイパーなら、グッドイナフ!!

ってなワケで、昨日に引き続きパイパーの奇跡的再発4作の後半2枚、『GENTLE BREEZE』(83年)と『 SUNSHINE KIZ』(84年)をご紹介。アートワークは2作目から、TV番組:タモリ倶楽部でお馴染みのソラミミスト、安斎肇さんが担当している。その流れで、上記『GENTLE BREEZE』の消防車ジャケは、当時写真に凝っていたタモリ(名義はタモリ一義)の作品を使用した。

3作目『GENTLE BREEZE』は、前作『SUMMER BREEZE』からわずか半年のインターヴァル。だから夏向けではなく、雪景色のアートワークである。ただし音楽的には、完全に前作の延長で。山本圭右(vo,g)、志間貴司(kyd)、井藤弥(b)のメンバー3人に、村田和人/小板橋博司(cho)、帆足哲昭(perc)という陣容にも変わりはない。それでもサウンド的にグレードアップしているのは、リン・ドラムのプログラミングに鳥山雄司を起用したから。彼は一般的にギタリスト/アレンジャーとして知られる人だが、この当時から打ち込みスキルも高かった。また前作が好評だったコトに加え、メンバー自身が自分のやりたいコトを盛り込めるようになってきたため、アルバム作りにも積極的に取り組むようになり、楽曲のポテンシャルが向上。制作時間の短さから古い楽曲を引っ張り出してもいるものの、<I've Got a Feeling>など、書き下ろし作に好曲が増えている。個人的には、涼風ミディアム<Breezing>の甘酸っぱさに心を奪われて…

そしてユピテル最終作『SUNSHINE KIZ』は、間違いなくこの時期の最高傑作。

  きみのひとみのサンシャイン!

 忘れない、二人のサマータイム。

 歌えるさ、あの日のメロディーズ。


相変わらずのクサいコピーに苦笑しながら、シッカリその思惑にハマった20代。さりげなく達郎氏の傑作アルバム・タイトルを盛り込むあたりも抜け目がない。またしても半年のインターヴァル、陣容にも変化なしという作ながら、売れてきた痕跡はシッカリと残っている。BGM的作風から脱却し、カッチリと歌を聴かせるスタイルに。そしてリン・ドラムはドラミュレイターに進化し、楽曲よっては生のドラムを使うようになった。夏に似合うアルバムながら、実際は夏だけにこだわってはいない全天候型。インナーにはピンナップが付き、初めてのプロモーション・ビデオも作られている。それだけレーベルのバックアップ体制が整ってきたところだったのに、当時のユピテル・グループの稼ぎ頭であるカラオケ事業不振の煽りを受け、移籍を余儀なくされてしまうことに…。だがムーンではアルバムを出しただけで、実際のライヴ活動はおぼつかず…。やはりパイパーといえば、ユピテル時代に尽きる、ということになる。

以前は安価でゴロゴロしていたアナログ盤も、既に高価買取の対象。ならばまずは、LVm(レーザー・ヴァイナル・マスター)で復刻されたCDを手にしてみてはいかがだろう? “聴いた人から夏が来る” とは他のアーティストのキャッチコピーながら、これからの季節には打って付けの80's シティポップなのは間違いないから