50live entrance

アレンジ/プロデュースでも大活躍されている安部潤さん (kyd)企画『安部潤・大橋勇武・岸田容男・熊谷望 50歳記念ライブ Featuring 今井優子』@ 渋谷JAZ Brat に、スタッフ的参戦。各メンバーのキャリアは、今井優子オフィシャルページのリハーサル・レビューにも書かれているが、当ブログには何度か登場している安部さん以外をざっと紹介しておくと…。

まずギターの大橋さんは、ロック・バンドの Pearl 出身。その後、和田アキラさんの後任として松岡直也グループに参加し、ジャズ・フュージョン系を中心としながらも、沢田研二、T.M.Revolutionなど歌モノのサポート・ワークも多数。ベースの熊谷さんは、松本圭司(元T-SQUARE)、布川俊樹、松原正樹×松田肇「松松」ツアーなどに参加。最近は林部智史やヴァイオリン奏者NAOTOなど、幅広くサポート活動している。ソロCDもあり、今井優子の新作にも1曲参加した。ドラムの岸田さんは、スガシカオや西野カナ、鈴木雅之,DA BUBBLE GUM BROTHERS,ミトカツユキなど、まさに引く手数多。カナザワもジャンクフジヤマやFire Hornsのサポートの時に、彼のドラムを目の当たりにしている。そんな手練れたちに乗る形で、今井優子が数曲ヴォーカルを取るという、いわゆる企画ライヴだ。

とはいえ、同い年同士の和気藹々とした雰囲気がありつつも、そこから繰り出すプレイはハンパない。スタッフ的立場なので、ちょっとクールに見ていたが、程良くアルコールでも入っていたら、思わず「うひょ〜」とか「ドヒャー」とか、感嘆と驚愕の声を発してしまいそうな演奏の応酬で。スリル、スピード、パワー、グルーヴ、どれを取っても文句ナシ。スロウ・ナンバーでベースがフレットレスになると、メロディアスというより、深遠でイマジネティヴな世界観が広がる。インスト曲は、安部、熊谷、大橋の持ち寄りだが、不思議と統一感があったような。例えば、2ndの1曲目<Core Zone>は、大橋が伊東たけしの92年作『VISONS』に提供した楽曲。ニューヨーク録音のこの曲でドラムを叩いていたのが、岸田が大好きというプージー・ベルだったり。プロデュースはお馴染みフィリップ・セスだけど、彼も安部さんとキャラが被る気がするな。

そして、この強力カルテットに挑む今井優子の歌のこなしも、かなり見事。元々上手いシンガーだけど、このメンバーにもまったく動じることなく、堂々と真っ向から歌いこなす。ルパン三世で有名な<Love Squall>は sparkling☆ cherryとのジョイント・ライヴでも歌ったけれど、今回は日本語で、より艶っぽく。<I Wish>での超絶スキャットは、今回は安部シンセとのユニゾンとなり、前半のハイライトになった。 2ndでは軽やかなボッサと、ハイパーなアーバン・ファンク<Unnatural Love>をキメキメに。

アンコールでは、休憩中に急遽決まった<オリヴィアを聴きながら>をぶっつけ本番で披露。でも同い年メンバーだけに、曲はみんなシッカリ知っていて、所見の譜面で難なく客席を和ませる。ヴォーカルもきっと、当時からカラオケなどで歌い込んでいたのだろう。途中でヨドむことなく、オーディエンスを酔わせてくれた。そしてラストは、シーウインドのカヴァー<He Love You>。これは安部さんのアレンジが光りつつも、各人のソロ回しで盛り上がった。途中、メンバーの熱い演奏に聴き入ってしまったか、危うく歌のパートに戻るタイミングを逃しそうになったものの、まぁ、そこはご愛嬌

演奏メンバー全員が大のフュージョン好きで、今井もロックよりはAORやラテン・フュージョン系が好き。でもって歳が同じとなれば、当然共通するツボがある。そこをグリグリ刺激し合い、その楽しさ、ノリの良さが客席にも伝播する、そんなステキな企画ライヴだった。これはもう、来年も組むっきゃないでしょ

《Set List》
1st
1. Quantstream
2. No More Direction
3. Love Squall (feat.今井優子)
4. I Wish (feat.今井優子)
5. Different Space

2nd
1. Core Zone
2. Beyound Description
3. Favorite Place (feat.今井優子)
4. Unnatural Love (feat.今井優子)
5. Dragon's Gate

Encour
1. オリビアを聴きながら (feat.今井優子)
2. He Loves You (feat.今井優子)

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