rhye_blood
今日は昼過ぎからミーティングだの何だのとあちこちハシゴし、最後にちょっと軽く2〜3杯引っ掛けて帰宅。ホロ酔いだけど、何か物足りなくて、心がザワつく。そこで缶ビールを開けつつ手が伸びたのが、Rhye の新作『BLOOD』だ。ちょっと前に入手してチラ聴きし、“あとでシカッリ聴き直そう”と思いつつ、忙しさにカマけて放置プレイ。でもそれを、先日お邪魔した某大物プロデューサーのご自宅でも発見し、うふふと嬉しくなってしまった。大手レコード会社トップを歴任し、今では相談役みたいな方なのに、今も若いアーティストの新しい作品に触れて、感性を磨くことを怠らない姿勢に嬉しくなった。イヤ、でも実際に重要なのは、ごくシンプルに、ステキな音楽に対して素直に反応できるかどうか、なのかも。売れる売れない、で判断するのは、やはり何処か間違ってる。

というワケで、Rhyeの4年ぶり第2作。カタカナで “ライ” と書くと、何だか身も蓋もない気がするので、Rhyeと書く。このRhyeは、“男シャーデー” と言われるように、中性的な歌声を持つカナダ人マイク・ミロシュのソロ・ユニット。名前から察するに、多分フランス系なのかな? 実はRhyeと名乗る前からミロシュ名義でもアルバムを発表していて、そちらは当時の奥様とのプロジェクト。4作目が13年リリースだから、制作時期はRhyeとも重なる。どうやら作品の成り立ちが違うから名義を変えて、ということらしく、たまたま Rhye の方が先に当たっただけのようだ。

シャーデー同様、音数を削ぎ落とした情念的かつ官能的なサウンドがひとつの武器。でもいくら中性的といっても、そこは男。シャーデーの妖艶な色香に敵うはずもない。そのせいか、シャーデーよりも更にクールで、よりミニマムな音世界に徹した印象。ゆったりしたグルーヴは真夜中の大海に小舟を漕ぎ出した感覚で、淡々としながら艶かしい声でジワジワと媚薬指数を上げていく。聴こえるのは波音ならぬ、互いの鼓動と吐息だけ…。まさしく、めくるめく性愛の世界 思わずグラスを重ねちゃいます。

ちなみにアートワークのモデルは、現在のガールフレンドであるジェネヴィエーヴ。きっとこの名前で身悶えてしまうAORファンも少なくないはずだ。撮影はミロシュ自身で、いずれ彼女を撮った写真集を出したり、小さなギャラリーで個展を開き、そこでちょっと演奏する、なんてことも考えているらしい。どうもいろいろな表現欲求を抱えた人のようである。

昨年のフジ・ロックのステージでは、照明を極限まで落とし、暗闇のようなステージでエロい歌を歌ったとか。今や音楽にヴィジュアルは付きモノだけど、それに毒されてしまっては創造の羽根は広がらない。その最も近くにある創造の世界が、愛する人との性愛なのだ。中学の頃から、部屋を真っ暗にしてピンク・フロイドに浸っていたカナザワは、やっぱりエロ指数が高いのかもな… ちなみに自分は、このモデルのジェネヴィエーヴより、もう少し小振りでポッチャリ系が好きです